2021/10/10

水辺の獣道でアメリカザリガニの死骸を持ち去るホンドタヌキ【トレイルカメラ】

 

2021年7月中旬・午後18:53(日の入りは午後19:01)・気温23℃

前回の記事(3日前の撮影):▶ アメリカザリガニの死骸に群がるキンバエとニクバエが繰り広げる行動


実は、水辺の獣道に仕掛けておいた無人カメラ(トレイルカメラ)のちょうど目の前の地面(泥の上)でたまたま2匹のアメリカザリガニProcambarus clarkii)が並んで死んでいたのでした。 
死骸の生物分解が進んだ3日後の日没直前に、1頭のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が水辺の獣道を左から登場しました。 
トレイルカメラで野生のタヌキを明るい時間帯に撮れたのは初めてです! 
厳密な夜行性ではなく、薄暗くなる頃(薄暮)から採食活動を始めるようです。 
虫の知らせでトレイルカメラの撮影時刻の設定を夕方から夜明け後に変更しておいたのが幸いしました。 

泥が乾いた地面の匂いを嗅ぎながら進んで来たホンドタヌキは、アメリカザリガニの死骸を見つけると、1匹を口に咥えて獣道を引き返しました。 
決定的瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。 
タヌキは先に白化したザリガニ死骸の存在に気づいたはずなのに、それは素通りしています。 
未だ殻が赤くて比較的新鮮な方のザリガニ死骸を選んで持ち去っていました。 
死んだザリガニを一度近くの地面に置いて咥え直してから運搬しました。 

タヌキはなぜその場でザリガニを食べなかったのでしょうか? 
獣道は少し開けた場所なので、タヌキは警戒しているのかもしれません。 
ヨシ原の茂みの奥に隠れて自分で食べたのかな? 
あるいは、巣穴で待つ幼獣のために持ち帰って給餌した可能性も考えられます。 
タヌキの営巣地を突き止めたいところですが、遊歩道を外れて画面左のヨシ原の奥に獣道が続いていそうな雰囲気です。 
トレイルカメラの画角をもう少し左にずらして設置し直す必要がありそうです。 

松岡節『狸の来た日々』という観察記録によると、
付き合いはじめてからタヌキも食物をくわえて運ぶことを知った。運ぶ理由は、私の観察と想像からの判断であるが、食物をどこかに隠して貯蔵しておくことと、♀や子どものために運ぶ―の2つがあげられる。(kindle版より引用)
貯食の可能性を私は思いつきませんでした。
しかし、腐りかけの(というか腐った)ザリガニを改めて貯食するとは考えにくいです。

ザリガニをバリバリと食べるシーンは撮れなかったものの、死骸を持ち去ったことから、ホンドタヌキはアメリカザリガニ(の死骸)を食べることが強く示唆されました。 
この湿地帯(氾濫原)にはアメリカザリガニが多数生息していますから、タヌキがこの獣道を気に入ってよく往来している理由も納得です。 
中嶋捷恵『我が家にはいろんな動物がやって来る』という本によると、
・食性について、タヌキは肉食性が強いものの、穀類でも果物でも何でもOKだ。腐りかかった動物性の物を好んで食べる。 (p52より引用) 
・タヌキは、夏の時期、ネズミ、ヘビ、カエル、昆虫類などが主食 (p56より引用)
ちなみに、同じ日の約1時間後(日没後)にもう1頭のタヌキ(同一個体?)が現れ、獣道の匂いを嗅ぎながら逆方向に(右から左へ)通り過ぎました。 
路上に残されたアメリカザリガニの死骸に気付くと、腐臭を嫌って足早に立ち去りました。
やはり、タヌキは腐敗の進んだ死骸を食べないようです。 

※ 後半の暗視映像は動画編集時に正規化処理を施し、画面全体を明るくしています。

今思うと、ザリガニの死骸を拾い集めて監視カメラの前の獣道に予めばら撒いておく作戦を一度ぐらい試してみればよかったですね。
野生動物の餌付けは色々と問題があるので、私は躊躇してしまいました。
獣道の状態をヒトが下手に撹乱すると、野生動物は嫌がって(警戒して)来なくなるのではないか?という心配もあります。
素人の杞憂かもしれませんが、トレイルカメラを始めたばかりで勝手の分からない私は、このままストイックに(餌付け無しで)やってみることにします。


【追記】
現場の裏手は階段状にコンクリートで護岸されていて、そこにタヌキの溜め糞場uがあります。

2022年7月中旬
アメリカザリガニの外骨格(殻)の赤い破片が未消化のまま糞として排泄されていました。
確かにタヌキがザリガニを食べたという証拠が追加されました。




2021/10/09

アメリカザリガニの死骸に群がるキンバエとニクバエが繰り広げる行動

 

2021年7月中旬・午後14:15頃・晴れ 

大雨で増水した氾濫原の水が引くと、泥だらけになった遊歩道にアメリカザリガニProcambarus clarkii)が2匹並んで死んでいました。 
日向で腐敗が進んでいるようで、赤い殻の表面に黒斑が出ています。 
死骸に真っ先に集まるキンバエ類は、メタリックグリーンのものとメタリックブルーのものと2種類が来ているようです。(種名不詳) 
他にはニクバエの一種(種名不詳)も来ています。 
個体数ではキンバエ類の方がニクバエよりも多いです。 
集まったハエは、アメリカザリガニの死骸を舐め回したり、身繕いしたりしています。 

左の死骸Lは頭胸甲の殻が外れかけていました。 
脱皮の途中で死んだのかな? 
こちらの死骸Lはハエにあまり人気が無いようで、ニクバエが1匹だけ乗っていました。 

右の死骸R上では多数のハエが目まぐるしく飛び回り、互いに位置を変えています。 
その様子を1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、ハエ同士の間で面白いドラマが繰り広げられていることが分かりました。(@1:34〜) 

(1)死骸上の熾烈な陣取り合戦 
隣り合うハエ同士が互いに脚で蹴ったり叩いたりして牽制し合っていました。 
小さなニクバエが隣の大きなキンバエを蹴って追い払うこともありました。 
それでも強引に割り込んで来るハエがいます。
ハエの占有行動で脚を使うとは知りませんでした。
武器の無いハエの喧嘩はどうもコミカルに見えてしまいます。

(2)ニクバエ同士で誤認求愛? 
小型のニクバエの新顔が死骸に飛来すると、先客の大型ニクバエが背後から飛びつきました。 
マウントして交尾を挑んだのかと思いきや、すぐに別れました。 
こうした♂同士の誤認求愛と思われる小競り合いが繰り返されていました。 (あるいは♀の交尾拒否?)

240fpsのハイスピード動画で撮れば、もっと詳細に観察できたはずです。 


 

ノギランの花蜜を吸い飛び立つシロホシヒメゾウムシ【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年7月下旬・午前9:30頃・晴れ 

山道沿いに咲いたノギランの群落でシロホシヒメゾウムシ(=シラホシヒメゾウムシ;Baris dispilota)が訪花していました。 
同一個体を追いかけて途中からマクロレンズで接写してみました。 
ノギランの花穂の中を歩き回ると、雄しべの葯の黄色とゾウムシの黄紋がマッチしていますね。 
しかし黒い体色なので、隠蔽擬態(保護色)にはなっていません。 
どうやら小花に口吻を突っ込んで吸蜜しているようです。(@1:22) 
花穂の先端まで来ると飛び立って、隣の株の花穂に移動します。 
花粉を食べてなくても花穂を徘徊中に雄しべや雌しべによく触れ、花穂間を盛んに移動するので、ノギランの送粉者として寄与していそうです。 

飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:46〜) 
翅をパカッと開くと羽ばたいて飛び立とうとしても、周囲に林立する雄しべに翅が引っかかったりバランスを崩したりして無様に墜落することがあります。 
花穂の途中から飛び立とうとするとこうなるので、花穂の先まで登ってから飛び立つようになります。 
飛び立ちが上手く行くと、ほぼ垂直に離陸していました。 

花穂上で立ち止まり、身繕いする様子も撮れていました。 
顔や触角に付いた花粉を前脚で擦り落としています。 


ランダムに記事を読む