2021/09/13

餌乞いで鳴く♪モズの幼鳥(野鳥)

 

2021年7月上旬・午前11:35頃・くもり 

民家の裏庭を囲む板塀の天辺にモズLanius bucephalus)が独り止まっていました。 
横を向いた時に下嘴が黄色っぽく、過眼線が薄いことに気づきました。 
どうやら幼鳥のようです。
モズらしく尾羽を上下に動かしています。 
親鳥が巣外給餌に来てくれるまでおとなしく待っているのでしょう。
ときどき首を傾げてみせる仕草が可愛らしいですね。 
モズ幼鳥が見下ろす視線の先には生ゴミを処理するコンポスト容器が置いてあるので、その周囲を飛び回るハエなどに興味を示しているのかもしれません。 

前半は静かにしていたのですが、しばらくするとモズ幼鳥は半開きにした翼を細かく震わせながらキチキチキチ…♪と鋭く鳴き始めました♪(@1:38) 
おそらく近くに飛来した親鳥を見かけた幼鳥が餌乞いを始めたのでしょう。 
嘴の内部は鮮やかな赤色で、橙色で縁取られています。 
いよいよ巣外給餌のシーンを観察できるかと期待したのですが、モズ幼鳥は鳴きながら飛び去ってしまいました。 
隠し撮りしている私に気づいて警戒したのかな? 
餌乞い行動および飛び立ちを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

モズ幼鳥の餌乞い♪を声紋解析してみる

いつものようにオリジナルの動画ファイルから音声をWAVファイルに抽出し、鳴いている部分を切り出してからスペクトログラムを描いてみました。




手元にある資料を調べても、モズ幼鳥(巣立ち雛)の餌乞い行動に関する解説は見つかりませんでした。 
日本の野鳥さえずり・地鳴き図鑑』でモズを調べると、
地鳴き:ギチギチギチなどと鳴く。 巣立ちビナがいるあたりに人やネコ、カラスが近づくと、ギチギチとうるさく鳴き騒ぐ。(p34より引用)
唐沢孝一『モズの話:よみもの動物記』という本によると、
えさねだり行動はまれで、むしろ(幼鳥同士の:しぐま註)排他的行動が目立つ。1羽の幼鳥の止っている背後から襲いかかるように飛びつくシーンとか、他の1羽を7〜8mも追いかけるのもみられる。つつき合ったり、弱い声ではあるがギギギ…といった威嚇音も発し、秋の高鳴きのころのなわばり争い行動を感じさせる。(p177より引用)
一人前になるにつれて攻撃性が高まり排他的傾向が強まり、幼鳥の群は解体し、分散してしまうようである。  巣立った幼鳥たちは、ほんの2週間くらい親子の生活を送り、親の方から子離れして姿を消してしまう。残された幼鳥たちは、群れたり、追い合ったりしながら次第に狩りのテクニックやはやにえ行動を自得していく。 (p179より引用)

2021/09/12

婚姻色を呈するオイカワ♂♀の群れが泳ぐ池(淡水魚)

 

2021年7月上旬・午後12:20頃・晴れ 

今まで見たことのないとてもきれいな淡水魚が平地の池で群れをなしていました。 
黒っぽい体に赤いヒレを持つ大型の個体が混じっています。 
群れが集まると水中でほとんど静止しています。 

山育ちなのに釣りの嗜みを覚えずに育ってきてしまった私は魚の知識が全くありません。 
てっきり、誰かが池に外来種の観賞魚を放流したのか?などと思ってしまいました。 
(よりによってベタを連想したぐらいです。)
帰ってから調べてみると、どうやらオイカワ♀♂(Opsariichthys platypus)という種類のようです。 
しかし、本来オイカワは西日本にしか生息してないそうです。 
山形県にオイカワは自然分布しないはずですが、ネット検索すると当地でも釣具屋のブログなどで釣果の記録がヒットします。 
この池では子供たちがよく釣りをしているので、おそらくオイカワが放流(人為移植)されているのでしょう。 

動画の前半では、7匹の群れが日向の水面近くに集まっていました。 
鰭の前縁が赤い大型の個体は♂で、婚姻色なのだそうです。 
それに対して、全身が黒っぽくて地味な小型の個体は♀です。 

ここでちょっとした事件が起こりました。 
背中に痛々しい怪我をした個体♀wに注目して下さい。 
おそらく釣り針で背中を引っ掛けられて負傷したのではないかと思います。 
(あるいは鳥に危うく捕食されかけたのかもしれません。)
この♀wが急に水面から飛び出すように跳ねました。 
跳躍シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、♀wは行く手を横切る♂に遮られ、乗り上げるように飛び越えていました。 
しばらくすると(32秒後)、再び♀wが水面から跳ねて♂を飛び越えました。 
これは果たして偶然の回避行動でしょうか? 
動画を遡ってじっくり見直すと、♀wが2回飛び越えたのは同一個体の♂でした。 
♀wの方が活発に泳ぎ回り、わざわざ戻ってきて特定の♂を飛び越えたのです。
群れの色気づいた♂たちを見定めてから♀wが気になる特定の♂に対してちょっかいをかけたり誘ったりしているのだとしたら(求愛行動)面白いですね。 
もちろん私はオイカワがどんな求愛行動をするのか何も知らないので、素人の妄想かもしれません。
♬もしかしてだけど、もしかしてだけど、それってオイラを誘ってるんじゃないの? by どぶろっく
せっかく♀wに誘われた♂が何もアクションを起こさなかったのも解せません。
「傷物の♀」には興味がないのでしょうか?
普通に考えれば、婚姻色を呈した♂の方が♀に求愛アピールしそうなものです。 

後半は(@1:35〜)、♀7♂4匹の群れが寄り集まっているだけで求愛行動は全く見られませんでした。 

ネット検索しても、オイカワの求愛行動についての情報は得られませんでした。 
魚類図鑑サイトPrivate Aquarium によると、
(オイカワの)繁殖期は5~8月で、岸近くの流れの緩い平瀬の砂礫底で産卵する。 産卵にあたって雄は直径30~50cm程度の産卵床を作るが、これをめぐって激しい縄張り争いをする。
今回私が見た群れでは、♂同士の闘争行動は見られず、至って平穏でした。 
♂の赤い婚姻色がもっと濃く鮮やかになってからが繁殖行動の本番なのかな?

土手の階段で採食・脱糞するスズメの群れ【トレイルカメラ:野鳥】

 

2021年6月下旬・午後18:30頃・気温19〜21℃ 

堤防のコンクリート階段に残された溜め糞にやって来る野生動物を突き止めるために無人のセンサーカメラを仕掛け、試行錯誤しています。 
スズメPasser montanus)が写っていた映像をまとめました。 
こんな小さな生き物でも画角内で動き回ればカメラがしっかり作動することが分かり、動体検知の感度に感嘆しました。 
溜め糞に集まる昆虫を野鳥が捕食しに来ているのだとしたら、それはそれで面白いのですが、そうではなさそうです。 
かなり古くなった溜め糞がコンクリート上で分解されずに干からびて残っているだけです。
糞便臭も無くなり、糞虫どころかハエすらも来ていませんでした。 

シーン1:気温21℃ 
スズメの幼鳥が溜め糞がある階段の1段下を右から左へホッピングで通過しました。 
途中で少量の白い糞を1滴排泄しました。(@0:09) 

シーン2:気温19℃ 
2日後も同じ時間帯に3羽の成鳥の群れが採食に現れました。 
画面の最上段にいる個体が異様に小さく見えるのは、土手が斜面になっていることによる遠近法の効果です。 
スズメは画面左上で土手に生えた何か雑草を嘴で毟り取って食べているようです。(@1:26) 

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

私が狙っている野生動物は夜行性です。 
暑い昼間はカメラをスリープさせ、暗い夜間だけ(18:30〜翌朝の午前6:00)作動するように設定を変えたら、バッテリーが長持ちするようになりました。 
終日24時間監視することも可能なのですが、電池を1日で使い切ってしまい、カメラ本体も熱くなっていました。 
こんなにバッテリーの消耗が激しいのは予想外でした。 
ちなみに、最新の上位機種ではオプションでソーラーパネルを付けられるそうです。 
太陽光による充電が可能となり乾電池の交換が不要になれば確かに便利です。
しかし、より高価になりますし、目立ってしまい盗難のリスクがますます心配です。 

色々とカメラの設定を細かく変えて試行錯誤した結果、この機種は以下のような手順(アルゴリズム)で作動するのではないかと推察しました。 
  1. 高感度の赤外線センサーが120°の画角内に鳥や哺乳類の体温に近い熱源があるかどうか常に監視。 
  2. その熱源が動き回るかどうか判定。(動体検知) 
  3. カメラを起動し録画開始。ここまでのタイムラグ(トリガースピード)は0.5〜0.8秒とマニュアルに書かれています。 
今回の設置場所のようにコンクリートの階段を夏の昼間に監視すると、太陽光で照らされたコンクリートはすぐに体温を越えてしまいます。 
そんな環境下に置かれたセンサーカメラは常に動体検知の演算処理をし続ける必要があり、電池を無駄に消耗するのでしょう。 
私の推測が正しければ、カメラを日陰に設置するか気温が低い冬になれば、終日監視させてもバッテリーをさほど消耗しないのではないかと予想しています。
通販サイトの商品レビューでバッテリーの激しい消耗に苦情を申し立てている購入者がいますが、おそらく私と似た原因ではないかと思います。(設置環境の問題)
また、画角内に赤外線を反射する葉っぱなどがあると、風で揺れただけで誤作動してしまうことになります。 
それを避けるには、予め邪魔な葉っぱを取り除いておく必要があります。 
ただし、やり過ぎると監視カメラが丸見えになって存在に気づかれてしまう恐れがあり、兼ね合いが難しいところです。 


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