2021/07/01

桜の花を摘み取って盗蜜するスズメ(野鳥)

 

2021年4月中旬・午後16:15頃・晴れ 

公園で満開に咲いたソメイヨシノの老木でスズメPasser montanus)の群れが訪花していました。 
スズメは桜の花柄を嘴で摘むと千切り取り、花の根元の花蜜だけ吸って捨ててしまいます。 
桜からしてみれば授粉の報酬として用意した花蜜をスズメに一方的に盗まれるだけなので、大損害になります。 
桜吹雪は花弁が風で散るだけですが、スズメが狼藉を働いた後は桜の木の下に無傷の落花が(花柄ごと)散乱することになります。 

この有名な盗蜜シーンを撮りたくて長年狙ってきたのですが、警戒心が強いスズメはいつも逃げてしまいがちです。 
今回のスズメは人馴れしているのか、桜の木の下に居た私をあまり気にせず盗蜜に没頭していました。 
動画の後半は、スズメの盗蜜行動を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:19〜) 
2羽の個体を撮影した映像です。 

竹内将俊・飯嶋一浩・田村正人『桜をめぐる生きものたち』という書物によると、
桜が開花してまもなく、萼筒から切り落とされた花が目に付くようになる。満開になったソメイヨシノの下などは、かなりの数の花が落ちているのでお気づきの方もいるだろう。じつはこれ、スズメの仕業なのである。舌が短いスズメは花の正面から花蜜を吸うことが苦手である。そこで花蜜の溜まっている萼筒で花を切り取り、蜜を吸っては捨てるという行動を繰り返すのである。(p76より引用)
スズメの方は蜜を食べたいのだが、舌が短いので花を萼筒からちぎって、蜜を舐めては捨てるという行動を繰り返すことになる。桜にとっては将来実になる花をちぎって捨てるスズメは害鳥以外の何者でもない。 (同書p79より引用)


小宮輝之・中野さとる『にっぽんのスズメ』 によると、

満開の桜の木の枝でスズメが花を一輪丸ごとくわえたり、ポトンと落としたりする場面を目にした人もいるかもしれません。あれは、スズメが花をがくごとちぎりとって付け根にある蜜だまりをなめている光景。スズメの嘴は太くて短いため、ヒヨドリやメジロのように細長い嘴で蜜を吸うことができないのです。 (p22より引用)

2021/06/30

ハルザキヤマガラシに訪花・吸蜜するナミハナアブ♀【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年4月下旬・午後13:45頃・晴れ 

田園地帯の農道に沿ってハルザキヤマガラシというヨーロッパ原産の帰化植物が菜の花のような黄色い花を咲かせていました。
その群落でナミハナアブ♀(Eristalis tenax)が訪花していました。 
黄色い花序を歩き回りながら花蜜や花粉を舐めています。 
ときどき前脚同士を擦り合わせたり顔を拭ったりと身繕いしました。 
シマハナアブと似ているのですが、ナミハナアブの脛節は中央が膨らんだ紡錘形なのが特徴です。 

ハナアブ類はヒトの気配に敏感なので、マクロレンズで接写できるほど近寄れないと判断し、望遠マクロで撮影しました。 
花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:31〜) 
飛び立つと空中で方向転換し、すぐ隣の花へ着陸しました。

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ノスリの鳴き真似♪をするカケス(野鳥)

 

2021年4月中旬・午後16:35頃・晴れ 

カケスGarrulus glandarius)が山麓の果樹園の方からゆっくりとした奇妙な飛び方で飛来しました。 
てっきり求愛ディスプレイのための特殊の飛び方なのかと思ったのですが、飛翔シーンを動画に撮り損ねたのは残念です。 
『フィールドのための野鳥図鑑:野山の鳥』でカケスを調べると「飛翔はふわふわと直線的。」と書いてあったので、これが普通の飛び方なのかもしれません。 

落葉樹(おそらく樹種はオニグルミ?)の枝に止まったカケスが甲高くピーエ♪と鳴いたので驚きました。(@0:07〜0:09) 
カケスの鳴き声と言えばジェージェー♪という濁声ですが、他種の鳥の鳴き真似をすることも知られています。 
今回はおそらくノスリButeo japonicus)の鳴き真似だと思います。 
嘴の動きと鳴き声が同期したので(リップシンクロ)、この個体の鳴き声で間違いありません。 
三重県総合博物館のホームページによると
カケスはしゃがれた声で「ジャー」とか「ジェーイ」と鳴きます。カケスの英語名の「Jay」は、鳴き声そのものです。また、他の鳥や動物の鳴き声を真似することが得意で、ノスリやサシバなどの鳥や、ネコの鳴き声、さらには「おーい」という人の声なども真似たりします。
後ろを向いていたのに下からカメラを向けている私に気づいたようで、二声しか鳴いてくれませんでした。 
近くの針葉樹の高木(カラマツ?)の茂みに逃げ込んだカケスを私は見失ってしまいました。 (撮影はここまで。) 
最後はジェージェー♪と警戒声を発して飛び去りました。 

カケスの鳴き真似を実際に観察できたのは初めてで、とても嬉しい収穫でした。 
声紋解析してみたいのですが、近くを流れる用水路の水音がピンクノイズとなり、きれいな声紋が得られませんでした。 

動画ではホオジロ♂?(自信なし)の囀りさえずりも聞こえますけど、カケスとリップシンクロしないので、これは近くで本当にホオジロ♂?が鳴いているのでしょう。 
今回のカケスは鳴き真似をしたことで周囲に「嘘をついた」ことになります。 
他の小鳥が怖がって縄張りに近寄らない効果がありそうだ、と思いつきました。(虎の威を借る狐) 
しかし大型の猛禽であるノスリは小鳥を狩るのは得意でないので、ノスリの鳴き声を聞いた小鳥が果たして本当に怖がるかどうか疑問です。 

※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

 
比較のために、ノスリが実際にピーェ、ピーェ♪と繰り返し鳴いている動画を載せておきます。 
このとき周囲の小鳥(オオヨシキリなど)は囀りを止めたりパニックになって逃げ出したりすることはありませんでした。


【追記】
ピッキオ『鳥のおもしろ私生活:森の野鳥観察図鑑』でカケスを調べると、
まねた相手がいなくなってからも、その声を自分の鳴き声のレパートリーとしてもち続ける。(p66より引用)


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