2021年4月中旬・午後16:35頃・晴れ
カケス(Garrulus glandarius)が山麓の果樹園の方からゆっくりとした奇妙な飛び方で飛来しました。
てっきり求愛ディスプレイのための特殊の飛び方なのかと思ったのですが、飛翔シーンを動画に撮り損ねたのは残念です。
『フィールドのための野鳥図鑑:野山の鳥』でカケスを調べると「飛翔はふわふわと直線的。」と書いてあったので、これが普通の飛び方なのかもしれません。
落葉樹(おそらく樹種はオニグルミ?)の枝に止まったカケスが甲高くピーエ♪と鳴いたので驚きました。(@0:07〜0:09)
カケスの鳴き声と言えばジェージェー♪という濁声ですが、他種の鳥の鳴き真似をすることも知られています。
今回はおそらくノスリ(Buteo japonicus)の鳴き真似だと思います。
嘴の動きと鳴き声が同期したので(リップシンクロ)、この個体の鳴き声で間違いありません。
三重県総合博物館のホームページによると
カケスはしゃがれた声で「ジャー」とか「ジェーイ」と鳴きます。カケスの英語名の「Jay」は、鳴き声そのものです。また、他の鳥や動物の鳴き声を真似することが得意で、ノスリやサシバなどの鳥や、ネコの鳴き声、さらには「おーい」という人の声なども真似たりします。後ろを向いていたのに下からカメラを向けている私に気づいたようで、二声しか鳴いてくれませんでした。
近くの針葉樹の高木(カラマツ?)の茂みに逃げ込んだカケスを私は見失ってしまいました。
(撮影はここまで。)
最後はジェージェー♪と警戒声を発して飛び去りました。
カケスの鳴き真似を実際に観察できたのは初めてで、とても嬉しい収穫でした。
声紋解析してみたいのですが、近くを流れる用水路の水音がピンクノイズとなり、きれいな声紋が得られませんでした。
動画ではホオジロ♂?(自信なし)の囀り も聞こえますけど、カケスとリップシンクロしないので、これは近くで本当にホオジロ♂?が鳴いているのでしょう。
今回のカケスは鳴き真似をしたことで周囲に「嘘をついた」ことになります。
他の小鳥が怖がって縄張りに近寄らない効果がありそうだ、と思いつきました。(虎の威を借る狐)
しかし大型の猛禽であるノスリは小鳥を狩るのは得意でないので、ノスリの鳴き声を聞いた小鳥が果たして本当に怖がるかどうか疑問です。
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。
比較のために、ノスリが実際にピーェ、ピーェ♪と繰り返し鳴いている動画を載せておきます。
このとき周囲の小鳥(オオヨシキリなど)は囀りを止めたりパニックになって逃げ出したりすることはありませんでした。
【追記】
ピッキオ『鳥のおもしろ私生活:森の野鳥観察図鑑』でカケスを調べると、
まねた相手がいなくなってからも、その声を自分の鳴き声のレパートリーとしてもち続ける。(p66より引用)
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