2021/03/29

ユリの花に来たコアシナガバチ♀に噛み付くクロヤマアリ♀

 

2020年7月上旬・午後15:30頃・くもり
前回の記事:▶ ユリの花蜜を吸うコアシナガバチ♀
民家の裏庭の花壇に咲いたピンクのユリの花で吸蜜に来たコアシナガバチPolistes snelleni)のワーカー♀を撮っていると、近くに潜んでいたクロヤマアリFormica japonica)のワーカー♀が駆けつけて攻撃しました。 
後脚の跗節を噛まれたコアシナガバチ♀は反撃せずに慌てて逃走しました。 
アリはユリの蜜源を縄張りとして防衛しているようです。 

2021/03/28

歩道に落ちたハナミズキの赤い実を拾い食いするハシボソガラス(冬の野鳥)

 

2020年12月上旬・午後13:40頃・くもり 

大通りの歩道に植栽された街路樹ハナミズキ(別名アメリカヤマボウシ)の真下に落ちた赤い熟果をハシボソガラスCorvus corone)が採食していました。 
少し離れてカメラを向けている私を警戒したのか、落果を2個拾い食いしただけでカラスは飛び立ってしまいました。 

カラスは車道を飛んで渡ってから、最寄りの交差点の信号機の横棒に止まりました。 
足元のアルミパイプに嘴を擦り付けてから信号機の裏に回り込んで姿を消しました。 
もしかすると信号機の裏の隙間にハナミズキの赤い実を貯食したかな?と想像を逞しくしたものの、定かではありません。 
大切な貯食物は地面に埋める方が安全な気がします。 

ハシボソガラスが居なくなった直後に私は現場検証に向かいました。 
歩道の街路樹の根元はマツバギクの花壇になっていて、そこにハナミズキの赤い実が多数散乱していました。 
カラスはせっかくの餌を大量に食べ残したまま飛び去ったことになります。 
このハナミズキの木は完全に落葉していただけでなく、果実も全く枝に残っていませんでした。 
既に野鳥が樹上の赤い熟果をほとんど食べ尽くした後なのでしょう。 
ところが興味深いことに、ハナミズキの並木道ですぐ隣の街路樹には未だ赤い実が枝にたくさん残っていました。 
先程のカラスはどうしてハナミズキ樹上で新鮮な熟果を採食せずに、歩道でちまちまと落果を拾い食いしていたのでしょうか? 
ハシブトガラスと違ってハシボソガラスは樹上よりも地上で採食する方が得意とされています。 
しかし、私はかつてハシボソガラスがハナミズキの樹上で熟果を採食するシーンも観察していますし、路上の落果を拾い食いするハシブトガラスも見ています。 
▼関連記事(5年前の撮影) 
ハナミズキの実を採食するハシボソガラス(野鳥)

▼関連記事(約1ヶ月前の撮影) 
路上に散乱したハナミズキの果実を拾い食いするハシブトガラス(野鳥)
あるいは、カラスの世界には厳然たる縄張りがありますから、果実を採食するのは自分の縄張り内のハナミズキの木に限るのかもしれません。 
まずはハナミズキ樹上で熟した果実を数日かけて食べ尽くしてから、その後で落果を拾い食いしていたのかもしれません。 
つまり、赤い実が未だ大量に残っていた隣の木は今回のハシボソガラス個体の縄張りの外にあったという解釈です。 
しかし、カラスの縄張りの境界は交差点や川など地形的にもっと分かりやすい気がします。 

どうも、どちらの仮説もちょっと無理がありそうです。 
特に深い理由など無くて、たまたま歩道をぶらついていたハシボソガラスがハナミズキ落果を見つけて食べただけかもしれませんね。

ハナミズキの株ごとに、赤く熟した果実でも味が違うという可能性もありそうです。
だとすれば、少しでも美味しい株の熟果から優先的にカラスは食べていたのでしょう。
 

自発的に蠕動を繰り返すアカタテハ垂蛹の謎

 

アカタテハの飼育記録#10

前回の記事:▶ アカタテハ蛹の体内寄生チェック
2020年10月下旬・深夜

触診で体内寄生されていない健常個体と判定された2頭のアカタテハVanessa indica)垂蛹b,cを卓上に置いていると、誰も触れていないのにときどきブルブルッと自発的に暴れだすことに気づきました。 
タイミングが予測不能で突発的なので、ハンディカムで長撮り監視してみました。 
屋外で工事している騒音・振動に反応しているのか?と思ったりしたのですが、深夜の静かな時間帯(草木も眠る丑三つ時)でも変わらずに突発的な蠕動を繰り返していました。 
「蛹は全く動かないもの」という先入観があるヒトが見れば、まるで怪奇現象です。 
ブルブルッと自発的に震えてから、しばらく左右にブラブラと揺れています。 
睡眠中のヒトがたまにビクッと急に動くジャーキング現象みたいなものなのかな? 
変態期間中に何度も繰り返すと体力を無駄に消耗するのではないかと心配になります。 
白色LED照明を点けると眩しくて警戒するかと思いきや、照明の有無は無関係で蠕動していました。 
もしかすると私も気づかないぐらい微小なアリやダニなどがアカタテハ垂蛹の上を這い回っていて、それを振り落とそうと暴れていたのかもしれません。 

暴れているのはいつも特定の個体(右)だけ、というのも不思議です。 
おとなしくしている左の個体は表面が黒ずんでいて、変態の進行が早いようです。 (翌日に羽化しました)
羽化が近づくと運動性が消失(低下)するのかもしれません。 
隣の個体の振動が伝わって蠕動が連鎖するということもありませんでした。 



【追記】
大谷剛『昆虫―大きくなれない擬態者たち』によると、
 蛹は基本的に動けないが、ピクリとも動かないのは羽化がごく近いときだけで、たいていはピクピクと腹部を動かす。動かないと思ったものが、ちょっとだけ動くと、ギクッとするものだ。蛹はその効果を狙う。
 「蛹」という漢字の「つくり」のほうは、ピクピクとかヒラヒラとか動くさまを表す。(p58より引用)

最後の一文が初耳で面白く思ったのですが、『Super日本語大辞典』の漢和辞典で「蛹」の解字を調べると、違うことが書いてありました。

諸説あり、ということなのでしょうか?

会意兼形声。「虫+音符甬(ヨウ)(=通。上下つつぬけ、筒型をなす)」。筒の形のまゆや、からの中にこもっており、筒型の外形をした虫。 


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