2020/02/17

アカバナメドハギの花蜜を吸うヤマトツヤハナバチ♀?【HD動画&ハイスピード動画】



2019年9月中旬・午後14:40頃

川岸近くに咲いた見慣れないマメ科植物の群落で、おそらくヤマトツヤハナバチ♀(Ceratina japonica)と思われるハナバチが訪花していました。
赤紫色の蝶形花に正当訪花を繰り返し、吸蜜しています。
性別不明ですが、後脚のスコパ(花粉採集毛)は空荷でした。
脚が黒く、頭楯が黒地に小さな黄紋なので、♀ですね。

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:45〜)
隣の花にはわざわざ飛び立たずに歩いて移動することもありました。
離陸直後の急旋回も披露してくれました。


▼関連記事(3年前の撮影)
ハルジオンの花で採餌するヤマトツヤハナバチ♀


ヤマトツヤハナバチ?@アカバナメドハギ訪花吸蜜
ヤマトツヤハナバチ?@アカバナメドハギ訪花吸蜜

撮影後、訪花中にニアミスした2匹の小競り合いを目撃しました。
同定のため、捕虫網を振って1匹を採集しました。
ただし、動画に登場したのとは別個体かもしれません。
以下は標本の写真。(掲載予定)
参考:ヤマトツヤハナバチ@『日本産ハナバチ図鑑』p350

さて、このマメ科植物の正体は何でしょう?
素人目には花が白いメドハギと似ているものの、花弁の紫が濃い点が気になります。
メドハギがこんなに濃い紫の花を咲かせることはあるのかな? (例えば土壌のpHによって花の色が変わるとか?)
それとも別種なのでしょうか?
少し調べてみると、アカバナメドハギという帰化植物が知られているそうです。

植物関係の掲示板で問い合わせたところ、候補としてハイメドハギや「メドハギとシベリアメドハギとの雑種」が挙げられ、花色は変異が大きいのだそうです。

メドハギの仲間もなかなか奥が深いのですね。
今回は花全体のスナップショットしか撮っておらず、細かい部分を接写していませんでした。
もし来年も同じ場所に咲いたら、詳しく検討してみようと思います。
今回は暫定的にアカバナメドハギ?としておきます。

参考サイト:マメ科ハギ属 Lespedeza の メドハギ類の図入り検索表


アカバナメドハギ?花
アカバナメドハギ?花・全景

アカザカズラの花蜜を舐めるサッポロヒゲナガハナアブ♀



2019年9月下旬・午後15:45頃

民家の庭(家庭菜園?)からブロック塀を乗り越えて外に垂れ下がっている蔓植物に白い花穂が満開に咲いていました。
私はその名前を知らなかったのですが、昨年アカザカズラ(別名オカワカメ)と教えてもらいました。
観賞用だけでなく、知る人ぞ知る野菜として食用にも供されているのだそうです。
(私もいつか食べてみたいものです。)
今年はこの植物の訪花昆虫に興味を持って定点観察にときどき通っていたら、ようやく花が咲いて辺りには独特の良い芳香が微かに漂っていました。

まず目に付いたのはサッポロヒゲナガハナアブ♀(Chrysotoxum sapporense)です。
一瞬クロスズメバチの仲間かと見間違えたので、ベイツ型擬態なのでしょう。
左右の複眼が離れているので♀のようです。
白い花穂を歩き回りながら、口吻を伸ばして花粉や花蜜を舐めていました。
翅の前縁端に褐色の斑紋があります。


▼関連記事(1年前の撮影)
カキドオシの花粉を舐めるヒゲナガハナアブ♂




サッポロヒゲナガハナアブ♀@オカワカメ訪花吸蜜
サッポロヒゲナガハナアブ♀@アカザカズラ訪花吸蜜

アカザカズラ(オカワカメ)花穂@ブロック塀
アカザカズラ(オカワカメ)花穂+葉+蔓@ブロック塀
アカザカズラ(オカワカメ)花穂@ブロック塀・全景

ちなみに、2週間前の9月中旬に撮った蕾の写真もついでに載せておきます。
アカザカズラ(オカワカメ)蕾@ブロック塀
アカザカズラ(オカワカメ)蕾@ブロック塀・全景

2020/02/16

オオエグリシャチホコ(蛾)終齢幼虫がニセアカシアの葉を蚕食・脱糞【30倍速映像】



オオエグリシャチホコ(蛾)の飼育記録#3



▼前回の記事
オオエグリシャチホコ(蛾)終齢幼虫の排便

2019年9月中旬

オオエグリシャチホコPterostoma gigantinum)の終齢幼虫ニセアカシア(別名ハリエンジュ)の葉を食べる様子を微速度撮影で記録してみました。
30倍速の早回し映像をご覧下さい。

食欲旺盛で、小葉を次々に食べ尽します。
食休みのシーンは編集でカットしました。
葉を食害するストロークの向きが見慣れたイモムシとは逆なのが興味深く思いました。
言葉で説明するのが難しいのですが、葉縁を左右の脚で挟み込んで手前から奥へ背伸びをするように前進しながら葉を食べ進んでいます。
(奥から手前へ食べ進むのが普通のような気がするのですけど、私の記憶違いかもしれません。)

腹端から黒い糞を排泄する様子も捉えられていました。
表皮のクチクラが薄いおかげで、体内の激しい拍動が透けて見えます。
背脈管(心臓)の拍動や消化管の蠕動だけでなく、白くて細い気管も動いています。

食樹植物が共通のトビイロスズメ幼虫と同時に飼育し始めたのですが、ニセアカシアの水揚げが恐ろしく悪いことに悩まされました。
枝を水切りしても1〜2日で葉がみるみるうちに枯れてしまうのです。
新鮮な枝葉を連日のように採取してくるのが大変でした。
花瓶の水に細菌が繁殖するのを防ぐため、花瓶の中に銅を入れたりするそうなのですが、私は全く無頓着だったので次から試してみようと思います。

つづく→#4:オオエグリシャチホコ(蛾)終齢幼虫の身体測定


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