2019年9月中旬・午後13:55頃
川沿いの堤防上の舗装路で3匹のクルマバッタモドキ(Oedaleus infernalis)が身を寄せ合っていました。
すぐ横が河原の草むらになっています。
私が近寄っても3匹は全く動きません。
中央の大型の個体が♀で、その両側に♂が並んでいます。
腹端の交尾器が翅に隠れてよく見えないのですが、どうやら左側の♂Lと♀が交尾中でした。
クルマバッタモドキの交尾シーンは初見です。
それにしても、♀をめぐって2匹の♂同士が争わないのが不思議です。
もしクルマバッタモドキ♀が複数回交尾するとしたら、♂Rは順番待ちしているのでしょうか?
隙を見て♀と交尾するスニーカー戦略なのかな?
バッタの交尾は♂が♀の背中にマウントして行なうと思ったのですが、どうしてこの♀♂Lペアは横に寄り添っているのでしょう?
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お邪魔虫♂Rが登場したせいで変則的な体位になったのでしょうか?
(クルマバッタモドキの)オスはメスを見つけるとすぐには背に乗らず、まずメスの機嫌を伺うようにしながら前羽を後ろ足でこすり発音し、メスがそのまま逃げなければ背に飛び乗ることが出来る。交尾する気がないメスは飛んでオスから逃げてしまう。背に乗ってからもしばらくはメスの機嫌を伺い続け、メスに気に入ってもらえた時点でやっと交尾が成立する。オスは腹部をS字状に曲げてメスの腹の先を掴み、交尾が行われる。 (wikipediaより引用)
この3匹を後方から観察すると、ちょっと面白い行動が見られました。
♂が♀に近い側の後脚を動かして発音しているようなのですが、風切り音のせいで私には鳴き声が聞き取れませんでした。
♀への求愛なのか、それともライバル♂への牽制なのかな?
♂Lは左後脚を欠損しているので、解釈に注意が必要です。
私が右足の靴をそっと近づけると、右側の♂Rが真っ先に逃げ出しました。
触っていないのに警戒し、跳んで逃げました。
その瞬間を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@1:23〜1:57)
一方、交尾中の♀♂Lカップルは靴で軽く触れても無反応でした。
更に指で♂Lに触れて♀♂逆向きにしても逃げませんでした。
しつこく触れると、ようやく跳んで逃げました。
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、触れられた♂Lが先に跳んで逃げ、続いて♀も跳びました。
時間に余裕があれば♀♂カップルの邪魔せずに交尾を最後まで見届けたかったのですが、先を急ぐ別の用事があったので、雑な撮影になってしまいました。
色々と手出しをしたのは、現場では日差しが強くて影になってしまう上に、長い翅に隠れて交尾器の結合の有無が最後までよく分からなかったからです。
クルマバッタモドキ♀1♂2背側@路上+交尾 |
クルマバッタモドキ♀1♂2側面@路上+交尾 |
クルマバッタモドキ♀♂背側@路上+交尾 |