2018年11月上旬
河畔林から飛び立ったキジバト(Streptopelia orientalis)が、用水路の苔むしたコンクリート護岸に着陸しました。
市街地を流れてきた用水路が堤防の水門を通って本流の川に合流する地点です。
(映像はここから。)
コンクリートで固められた斜面を歩いて水際に下りると、用水路の流水をゴクゴク飲み始めました。
ハトの仲間は他の種類の鳥類とは異なり、水を一口飲むごとに頭を上げ下げする必要がありません。(※追記2参照)
このキジバトはよほど喉が渇いていたようで、辺りを警戒しながら計8回も嘴を水に浸しました。
それにしても、背景に写っている漂着物のゴミが見苦しいですね…。
私の目には用水路よりも本流の川の方が水質がきれいに思えるのですが、キジバトは気にしないで飲んでいます。
本流の川岸は水際まで降りにくいのかもしれません。
斜面でバランスを崩してうっかり足を滑らせたキジバトが自分で驚き、護岸を足早に登り返しました。
川岸に茂った灌木の藪から飛び立つと、対岸の河畔林へ向かいました。
▼関連記事(4年前の撮影)
川の水を飲むキジバト(野鳥)
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
【追記】
全く同じ場所で2年後の冬に、ツグミが水を飲みに来ました。
【追記2】
酒井仙吉『哺乳類誕生 乳の獲得と進化の謎:驚異の器官がうまれるまで』という本(ブルーバックス)によると、
鳥類の飲水行動を見ると、大抵の場合は頭を上げて喉に流し込んでいる。食道が蠕動運動できないことでこのような飲水様式となる。(中略)唇(口唇)と頬は哺乳類だけに存在し、解剖学上、鳥は吸うことができないのだ。ヒナも同様である。つまり乳による子育ては不可能で選択の余地はなかった。 (p147-148より引用)
一般論は分かったのですが、例外として水をゴクゴク飲めるハト類には食道の蠕動運動があるということなのでしょうか?
ハトが水を吸える仕組み(陰圧を生み出す力)は何なのでしょう?
そこまで踏み込んで書いて欲しかったです。