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脱皮前の眠で微動だにするイラガ(蛾)若齢幼虫【100倍速映像】
イラガ(蛾)の飼育記録#2016-6
2016年9月中旬・午後15:39〜15:43・室温24.7℃、湿度59%
カキノキの葉表で眠状態のイラガ(Monema flavescens)の若齢幼虫をせっかく微速度撮影で監視していたのに、肝心の脱皮を開始する瞬間は油断して見逃してしまいました。
素人目には外見が干からびてきて生気が失われ、ただ発育不全で死に行く個体なのかと勘違いしてしまったのです。
カメラが一台しか無い上に、発育段階の異なる複数個体を飼っていると、どうしても他に目移りしてしまうという事情もあります。
気づいた時には体の前半部は既に脱げかけていて、仰天しました。
三脚を用意する余裕もなく、慌てて手持ちカメラで動画を撮り始めました。
今回はリアルタイムのHD動画です。
微速度撮影しなくても意外に早く脱皮することが分かりました。
下半身の抜け殻は白っぽい。
全身が抜け出るにつれて白く細長い気管の抜け殻も伸びていきます。
肉角や刺毛など複雑な形状なのにきれいに脱げるのが面白いですね。
抜け出てすぐに方向転換し、抜け殻の方に向き直りました。
直後は脱皮殻を食べません。
つづく→#7:脱皮後に抜け殻を食すイラガ(蛾)若齢幼虫【60倍速映像】
2016年9月中旬
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ショウリョウバッタ♀を捕まえた!
住宅街の路地で採集した褐色型のショウリョウバッタ♀(Acrida cinerea)を手に持ったまま近くの田んぼまでやって来ました。
ここなら車の往来も無く、邪魔されずに落ち着いて安全に撮影することができます。
飛翔シーンを240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
音声が録音されず無音なのはカメラの仕様です。
農道の地面に解放すると、すかさず跳んで逃げ出しました。
砂利の敷かれた農道では褐色型のショウリョウバッタ♀は見事な保護色になっています。
跳躍(ジャンプ)するだけのときと、力強く跳んでから素早く羽ばたいて飛ぶときがあります。
疲れたらしばらく飛ばなくなるのかな?
飛んで逃げるのは体力を消耗するようで、可能な限りカモフラージュに頼って農道にじっとしています。
繰り返し撮影するとなかなか飛んでくれなくなりました。
少しずつゆっくり歩いて立ち去ろうとします。
後半(@1:36〜)は更に1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
これでようやく羽ばたく際の黄色っぽい後翅が見えるようになりました。
ハイスピード動画(無音)を優先して通常のHD動画(音声あり)では一度も撮らなかったため、ショウリョウバッタの♀が♂とは異なり羽ばたきながらチキチキ…♪と鳴かないことを示す記録が残せませんでした。
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脚が退化したイラガ(蛾)幼虫の歩行のひみつ
イラガ(蛾)の飼育記録#2016-5
2016年9月中旬・午前00:39〜10:36
イラガ(Monema flavescens)の若齢幼虫が食事もせずにカキノキの葉表に静止しています。
脱皮前の眠状態は、肉眼で見る限り完全に静止して死んでいるようです。
しかし微速度撮影してみれば、ときどき微かに蠕動運動していることが分かります。
100倍速の早送り映像をご覧下さい。
体内では様々な変化が進行中なのでしょう。
大道芸人の彫刻芸(statue)も早回し映像にすると粗が見えてくるのと似てますね。
ワンダリング(営繭前の徘徊)中の別個体(終齢幼虫)と接触すると入眠中の個体は少しだけ身動きしました。(威嚇?)
移動したり回避したりする能力は無いようです。
ピンセットで棘状突起に触れても、身をよじるだけで逃避のために移動しませんでした。(映像無し)
全身から水分が失われた印象で、棘状突起がやや褐色に変わりました。
要するに、脱皮するまでひたすら愚直に長撮りしている訳です。
初めにセッティングすれば後はカメラに任せるだけなので、別にしんどい作業ではありません。
いよいよ脱皮が近づくにつれて、この自発的な蠕動運動の間隔が短くなります。
つづく→#6:イラガ(蛾)若齢幼虫の脱皮