2016/11/12

夜メマツヨイグサの花でホバリング吸蜜するスズメガの一種【暗視映像】



2016年7月下旬

住宅地の道端に咲いたメマツヨイグサの群落で夜、スズメガ科の一種が訪花していました。
暗闇でホバリング(停空飛翔)しながら吸蜜する様子を赤外線の暗視カメラで撮り始めたものの、すぐに逃げられてしまいました。
同定用の、写真も撮れていません。



Newton special issue『植物の世界―ナチュラルヒストリーへの招待〈第2号〉』p12によると、
淡い光でも目立ち、やわらかな香りを放つこの花(オオマツヨイグサ)には、スズメガの仲間がよく訪れる。花粉は粘着糸でつづられていて、ガに一部でもつくと、ぞろぞろと多量の花粉がからみついていく。



十亀好雄『ふしぎな花時計:身近な花で時間を知ろう』によれば、
マツヨイグサの仲間は、花粉がねばりけのある糸で数珠のようにつながっていて、夜、スズメガなどがやってくるとその体にまとわりついて、たくさんの花粉を一度に運ばせることができるしくみをもっています。(p113より引用)


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メマツヨイグサの花粉は糸を引いて粘る



翌日の晩にも現場を再訪しました。
記録映像として同じ群落のメマツヨイグサを白色LEDで照らしながら撮っていたら偶然、開花の瞬間に立ち会えました。
微速度撮影や早回し映像にしなくてもリアルタイムで蕾がポンと解けて直径5cmほどの黄色い花がみるみる内に広がります。
花の芳香が強く素晴らしいのは、夜行性のスズメガを誘引して花粉を運んでもらうためです。
昨年は切り花を室内に持ち込んで開花の瞬間を撮影しましたけど、野外で直に観察できたのは非常に幸運でした♪

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夜に開花するメマツヨイグサ




【追記】
加藤真『夜の送粉共生系』によると、
アカバナ科のマツヨイグサ類などはスズメガ媒花として適応放散した一群である。日本のスズメガ媒花はひじょうに少ない。(中略)日本産スズメガの種数はけっして少なくはないが、琉球列島を除けばその多くはマルハナバチ媒花の盗蜜者の地位にあると思われる。 (『花の自然史:美しさの進化学』p82より引用)



【追記2】
夜行成果薄明薄暮性の蛾に受粉を依存する植物(ガ媒)の花は、以下の特徴をもつことが多いといわれています。
  • 夜か薄明の時間帯に咲く。
  • 花の色は白科緑、薄色系、または褐色。
  • 花筒か距が発達して細長く、花蜜が奥深くに隠れている。
  • 葯や柱頭が外に向かって飛び出しているものも多い。
  • 強くて甘い香りをもつ。
  • 花蜜の濃度は薄い。 (p65より引用)

2016/11/11

日没と同時に就塒前群飛を始めるムクドリ(野鳥)の大群



2016年7月下旬・午後18:49〜18:51

▼前回の記事
高圧線鉄塔Bに就塒前集合するムクドリ(野鳥)大群の羽ばたき【ハイスピード動画】


郊外に立つ高圧線の鉄塔B#29にムクドリSturnus cineraceus)の大群が就塒前集合しています。
新たな大群が鉄塔に飛来し、着陸しようと試みますが既にもう満員なので、群れ全体が飛び立ちました。

ムクドリの有名な就塒前群飛(murmuration)が遂に始まりました。
誰かヒトが驚かせた訳ではなく自発的に始まりました。
この日の公式な日の入り時刻(午後18:49)と正確に一致していたのが興味深いです。

『カラー版自然と科学50:ムクドリ』p34によると、
ほとんどの群れは、日のしずむまえにねぐらにつきます。しかし、つくとすぐにねる場所のしげみのなかにはいるのではなく、しばらくあたりの樹上や電線でやすんでいたり、上空をとびまわったりします。日がおちて最後にひとしきりとびまわると、そのあとにねぐらのしげみにはいるのです。しげみにはいるまえにとぶ行動は、ねぐら前群飛とよばれています。


ムクドリの大群は上空を旋回してから鉄塔#29に戻りました。
ところがすぐにまた大音量で鳴き交わしながら一斉に飛び立ちました。
壮観です。
集団塒の方へ飛び去り上空を乱舞しているのですが、住宅地なので見通しが悪く、行き先は見届けられませんでした。
高圧線の鉄塔B#29には1羽のムクドリも残っていません。

つづく→ムクドリ(野鳥)小群が前日の就塒前集合場所を経由して塒入り


蟻道を往来し幼虫や蛹を運ぶトビイロケアリ♀



2016年7月下旬

峠道の法面を補強する土留のコンクリート壁面に蟻道を見つけました。(標高〜645m地点)
道端の側溝から上に真っ直ぐ伸び、壁面の排水口(直径7cm)に続いています。
蟻道の幅は15mm、側溝からの高さを測ると54cmでした(穴の下縁まで)。
映像では15cm定規を蟻道に並べてみせました。
素人目には、土に細かい木屑を混ぜたような巣材でした。

途中一箇所だけ蟻道が未完なため、通路が丸見えになっています。
小さくて腹端が尖ったアリが蟻道を行き来しています。
排水口の奥に巣があるのでしょうか?
大雨が降ったら排水口内の巣は水没の危険に晒されそうで心配です。

ワーカー♀がときどき卵や幼虫、蛹など白い物を咥えて運搬していました。
蟻道の上下両方向に運んでいたので、どちらがメインの巣なのか不明です。
発達段階に応じて育児部屋を引っ越すのでしょうか。
もしかして、奴隷狩りをしている可能性もありますかね?

マクロレンズで接写していたら、画面内に突然フキバッタの仲間(種名不詳)が下から登ってきたので驚きました。(@3:11)
蟻道や巣穴(排水口)の真上をよじ登ったのに、アリはフキバッタを攻撃しませんでした。

蟻道を作るアリということで、トビイロケアリLasius japonicus)で良いのかな?
アリを採集、採寸していないので、トビイロケアリで大丈夫かどうか自信がありません。
蟻道を壊してみてアリが修復する様子を微速度撮影で記録するのも面白そうです。


【追記】
「ありんこ掲示板」にて質問したところ、シン・ハン@管理人さんより以下の回答を頂きました。
 ケアリですね。 ケアリはとんでもなく複雑(体毛の数とか、触覚の節の数とかで同定)なのですが、トビイロケアリで良いと思います。 奴隷狩りは行いません。おそらく、上も下も巣なんでしょう。巣の中を移動してるだけだと思ってください。
巣の通路と考えた方が近いと思います。
本宅は地面で、石垣の排水口の中が増築分、もしくは逆って感じで、動画の蟻道は安全に本宅と増築を行き来するための通路と 

【追記2】
(トビイロケアリが作る)アーケードは、アリをねらうノミバエの寄生を避けるためらしい。(p61より引用)
私はてっきり家畜のアブラムシを囲う(天敵から守る)ための構造物だと思っていたので、意外でした。

15cm定規を並べる

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