2013/10/31

桑の葉に巣網を張って集団食害するアメリカシロヒトリ若齢幼虫(蛾)



2013年8月下旬

道端に生えたヤマグワの株にアメリカシロヒトリHyphantria cunea)の幼虫が大発生していました。
葉が網目状の葉脈を残すのみで激しく食害されています。
多数の毛虫が吐いた糸で枝葉が覆われ、巣が作られています。

巣網内で集団生活をしながら徘徊・食害する様子を微速度撮影できたら面白そうです。
しかしこの辺りで更に食害の被害が広がると困るので、撮影後は枝ごと切り落として駆除しました。
枝を家に持ち帰って水差しにして飼育しようかと一瞬迷いましたが、アメリカシロヒトリの幼虫はやがて分散するので阿鼻叫喚の惨事(バイオハザード!)になるのを恐れ断念しました。

『アメリカシロヒトリ:種の歴史の断面』p12によると、

どんな植物を加害していても、幼虫はかならず巣をつくる。葉の裏にうみつけられた数百ないし一千個の卵から幼虫がかえると、かれらは糸を吐いて巣網を張り、そのなかで葉を食って集団生活をはじめる。(中略)巣網は、外気の影響を多少は遮断する効果を持っている。



3齢虫までは白い巣網の中で成長する。(wikipediaより)



【追記】
廣岡芳年『アメリカシロヒトリが飛ぶと、匂いが見える』によると、
刺すこともかぶれることもない毛虫なのに、アメリカシロヒトリは嫌われ者の代名詞に使われている。街路樹や庭木を食い荒らし、家の中まで入り込んで迷惑がられ、クワの害虫として養蚕農家から嫌われる (『虫たちがいて、ぼくがいた:昆虫と甲殻類の行動』 第2-3章p77より引用)


【追記2】
渡部仁『微生物で害虫を防ぐ (ポピュラー・サイエンス)』という昆虫病理学の本を読んでいたら、面白いことが書いてありました。
 アメリカシロヒトリの幼虫は雑食性で、クワ、サクラ、ポプラ、ヤナギ、カキなど多くの植物の葉を食害しますが、どの植物の葉で育ったかによって幼虫の核多角体病ウイルスに対する抵抗力ははっきりと違ってきます。クワで育った幼虫の抵抗力が強いのは、クワの葉の栄養価が高く、幼虫が丈夫に育つためと考えられます。アメリカシロヒトリの生育密度が高くなったときに、よく核多角体病が大発生します。これは虫の接触によってウイルスの感染する機会が増えたばかりでなく、餌の奪い合いが起こって、栄養不足になり、ウイルスに感染しやすくなるためなのです。 (p104より引用)





茄子の受粉を助けるクロマルハナバチ♀



2013年8月下旬

家庭菜園の畑でクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀がナス(茄子)に訪花していました。
後脚の花粉籠に白い花粉団子を付けています。
花にぶら下がると腹面に落ちた花粉を脚で掻き集めています。
おそらく胸部の飛翔筋で葯を揺する振動集粉を行っていると思われますが、セミの鳴き声がうるさくて聞き取れません。

近年、世界中でミツバチが激減して大騒ぎになっていますが、マルハナバチも作物の受粉を媒介して育てるきわめて重要な縁の下の力持ちです(送粉者)。
クロマルハナバチはトマトのハウス栽培などで活躍しているそうです。


ナス科植物の花など、花蜜を出さず、豊富な花粉をマルハナバチに与えて花粉の一部を送粉してもらう特殊なマルハナバチ媒花もあります。
(『マルハナバチ・ハンドブック』p40より)



2013/10/30

樹液酒場で争うシロテンハナムグリと小便排泄



2013年8月中旬

柳の幹から滲み出る樹液を巡ってシロテンハナムグリProtaetia orientalis submarumorea)同士で争うシーンをまとめてみました。

喧嘩の初めは脚で蹴飛ばし合い、次第にヒートアップすると頭突きで押し相撲になります。
カブトムシやクワガタムシのような闘争専用の武器こそ無いものの、敗者は幹から追い落とされることがあります。
小競り合いの末に、回り込んでなんとか2匹が共存して同じ樹液スポットから吸汁することもあります。
虫の居所が悪かったのかライバルを頭突きでしつこく幹の上に追い上げたかと思うと、その隙に3匹目が横から登場してちゃっかり漁夫の利を得ることもあり、なかなか興味深いですね。

個体標識して樹液の占有行動や喧嘩の勝敗を克明に記録したらとても面白そうです。
なんとなく眺めている限りでは、勝ったり負けたりを繰り返し「常勝の最強個体」という者は居ない印象を受けました。
発酵した樹液で酔っ払っているのかな?
個体間の序列(力関係)が余りはっきりしないのは、樹液が幹のあちこちから出ているせいでしょうか。
喧嘩に負けても一箇所に固執せずに探し回ればどこかで樹液にありつけるようです。(樹液酒場の質に差があるのかもしれませんけど。)

闘争行動に関連してハナムグリの性別を見分けられるようになりたいのですが、判定法を知りません。
樹液酒場で交尾を始めることはありませんでした。
見られる行動レパートリーは食事(樹液吸汁)か喧嘩、徘徊、飛翔、排泄だけでした。

樹液を舐めながら腹端からピュッと立ち小便するシーンが偶然撮れました!(@4.48)
欲を言えばハイスピード動画でオシッコを記録したかったですけど、暑さで頭がボーッとしてしまい長撮りする根気がありませんでした。




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