2012/03/14
樹上で採食するヒヨドリ【野鳥】
2012年1月下旬
川べりの雑木林でヒヨドリ(Hypsipetes amaurotis)の群れが騒々しく鳴いています。
樹上で何かを啄んでいる個体を撮影しました(樹種不明)。
被写体の手前に生い茂った枝が邪魔というカメラのAFが苦手とする状況で、なかなかピントが合いません。
ようやくピントが合ったらすぐに飛び立ってしまいました。
ヒヨドリが口にしたのはクズの豆果かと現場では思ったのですが、映像を見直すとただの枯葉のような気もしてきました。
2012/03/13
雪中行軍中にマウンティングするニホンザル
2012年2月中旬・気温10℃
杉を植林した斜面の林縁を野生ニホンザル(Macaca fuscata fuscata)の群れが次々に登って来ます。
群れに近づこうと撮影の合間に私が少しずつ前進したので、警戒した猿たちが雪の絶壁直登ルートから林縁ルートに変更したのかもしれません。
沢の奥の広場を経由して小群が遊動を始めました。
子猿が高い枝から身軽に飛び降りました(@0:12)。
すごい跳躍力ですね!
白毛の猿もいます。
周りは銀世界ですけど、白猿も完全な保護色とは言い難いようです。
斜面の途中を切り開いて作られた林道をサルが続々と横切ります。
遊動中に一頭が別の個体に背後から近づきマウントしました(@2:00、 3:13)。
遠くて性別まで見分けられませんが、
wikipediaによると、「繁殖形態は胎生。主に秋季から冬季にかけて交尾を行い、妊娠期間は161-186日。春季から夏季に1回に1頭(まれに2頭)の幼獣を2-3年に1回産む。」
高崎山のニホンザルは11月から3月までが交尾期です。
(『サルの子どもは立派に育つ:生態観察30年の記録』p36より)
ときどき左手の谷から猿がギャーギャー騒ぐ鳴き声が聞こえてきます。
一ヶ月前に平地の雪原(田んぼ)や車道を遊動していたニホンザルの群れとは違い、傾斜のきつい山中では子猿も母猿におんぶせず自力で歩いて付いくようです。
群れの中には首輪を付けた猿が少なくとも2頭、映像に写っていたような気がしました(@5:30、 7:48)。
遠いので私の眼の錯覚かもしれません。
(つづく→「ニホンザル群れのラッセル跡と糞@雪山」)
2012/03/12
音痴になったエンマコオロギ♂の鳴き声を解析してみる
エンマコオロギの飼育記録(♂2♀1)
エンマコオロギ(Teleogryllus emma)♂♀一匹ずつのペアでしばらく飼ってみてから、新たに採集してきた♂1匹を追加してみました。
♂2匹には明らかな体長差があり、新顔の♂は小柄です。
投入前に胸背に油性ペンで白点を描き、はっきり個体識別できるようにしました。
♀を巡る♂同士の争いなど興味深い行動が見られました。
体格通りに順位がα♂(無印)>β♂(白)と決まりました。
後日、映像付きのブログ記事を書く予定です。
飼育記録の時系列が前後しますが、更に飼い続けると…。
(映像はここから。)
2011年10月中旬・室温20℃
この日の晩もβ♂(白)が頻りに鳴いています。
しかし、どうも鳴き声が変です。
エンマコオロギのこんな掠れた鳴き声は聞いたことがありません。
あんなに美声で夜毎鳴いていたのに、濁ったような嗄れ声になり、酒焼けしたようなハスキーボイス。
発音器である前翅の翅脈が劣化(老化)して擦り切れてきたのだろうか。
(走査型電子顕微鏡で翅の劣化を調べることが出来たら楽しそうです。)
ずっと優位だったα♂(無印)も衰えたのか、いつの間にか鳴かなく(鳴けなく?)なりました。
それと共に順位が逆転したようで、α♂(無印)はβ♂(白)をあまり攻撃しなくなりました。
以前α♂(無印)が元気な時は、β♂(白)が♀に近づくことも許さず少しでも求愛歌を鳴くとすごい剣幕で激しい攻撃を仕掛けてきたのに…。
それとも音痴な掠れ声はエンマコオロギの耳には同種の鳴き声と認識されないのだろうか?
産卵管を持つ♀の横で♂(白)が鳴き続けても、♀は無視してカボチャを食べています。
もはや求愛目的ではなく、惰性で鳴いているのかな?
近くに居るα♂(無印)は不干渉…と思ったら終盤、背後からβ♂(白)に伸し掛かって邪魔をしました(@2:18)。
優位行動の名残りかもしれません。
それでもβ♂(白)はめげずに少し移動しただけで鳴き続けます。
※ 撮影のため、飼育容器内のシェルター(隠れ家)を一時的に全て取り除いてあります。
ちなみに3匹の寿命は、早く死んだ順に♂(白)、♀、♂(無印)でした。
試しにこの掠れた鳴き声を声紋分析してみました(スペクトログラム)。
読図を未だあまりよく分かってないのですが、確かに素人目にもノイズの成分が多いようです。
比較対照のため、正常な鳴き声のスペクトログラムを描いてみると下図のようになります。
これは同居させている別個体α♂(無印)が単独で鳴いているときの声です。
(8月下旬・室温24℃。映像はこちら。)
耳で聞くと窓の外で鳴く虫の音が混じっているものの、声紋パターンは比較的明瞭です。
残念ながら同一個体β♂(白)の正常な鳴き声は記録していませんでした。
(鳴き始めるとすぐにα♂が邪魔するため。)
これから本格的に研究するには録音条件や機材などを整備しないといけませんね。
エンマコオロギ(Teleogryllus emma)♂♀一匹ずつのペアでしばらく飼ってみてから、新たに採集してきた♂1匹を追加してみました。
♂2匹には明らかな体長差があり、新顔の♂は小柄です。
投入前に胸背に油性ペンで白点を描き、はっきり個体識別できるようにしました。
♀を巡る♂同士の争いなど興味深い行動が見られました。
体格通りに順位がα♂(無印)>β♂(白)と決まりました。
後日、映像付きのブログ記事を書く予定です。
飼育記録の時系列が前後しますが、更に飼い続けると…。
(映像はここから。)
2011年10月中旬・室温20℃
この日の晩もβ♂(白)が頻りに鳴いています。
しかし、どうも鳴き声が変です。
エンマコオロギのこんな掠れた鳴き声は聞いたことがありません。
あんなに美声で夜毎鳴いていたのに、濁ったような嗄れ声になり、酒焼けしたようなハスキーボイス。
発音器である前翅の翅脈が劣化(老化)して擦り切れてきたのだろうか。
(走査型電子顕微鏡で翅の劣化を調べることが出来たら楽しそうです。)
ずっと優位だったα♂(無印)も衰えたのか、いつの間にか鳴かなく(鳴けなく?)なりました。
それと共に順位が逆転したようで、α♂(無印)はβ♂(白)をあまり攻撃しなくなりました。
以前α♂(無印)が元気な時は、β♂(白)が♀に近づくことも許さず少しでも求愛歌を鳴くとすごい剣幕で激しい攻撃を仕掛けてきたのに…。
それとも音痴な掠れ声はエンマコオロギの耳には同種の鳴き声と認識されないのだろうか?
産卵管を持つ♀の横で♂(白)が鳴き続けても、♀は無視してカボチャを食べています。
もはや求愛目的ではなく、惰性で鳴いているのかな?
近くに居るα♂(無印)は不干渉…と思ったら終盤、背後からβ♂(白)に伸し掛かって邪魔をしました(@2:18)。
優位行動の名残りかもしれません。
それでもβ♂(白)はめげずに少し移動しただけで鳴き続けます。
※ 撮影のため、飼育容器内のシェルター(隠れ家)を一時的に全て取り除いてあります。
ちなみに3匹の寿命は、早く死んだ順に♂(白)、♀、♂(無印)でした。
試しにこの掠れた鳴き声を声紋分析してみました(スペクトログラム)。
読図を未だあまりよく分かってないのですが、確かに素人目にもノイズの成分が多いようです。
比較対照のため、正常な鳴き声のスペクトログラムを描いてみると下図のようになります。
これは同居させている別個体α♂(無印)が単独で鳴いているときの声です。
(8月下旬・室温24℃。映像はこちら。)
耳で聞くと窓の外で鳴く虫の音が混じっているものの、声紋パターンは比較的明瞭です。
残念ながら同一個体β♂(白)の正常な鳴き声は記録していませんでした。
(鳴き始めるとすぐにα♂が邪魔するため。)
これから本格的に研究するには録音条件や機材などを整備しないといけませんね。
【追記】
大谷剛『昆虫―大きくなれない擬態者たち』という本を読んでいたら、第7章「存在をアピールする鳴く虫たち」にとても興味深いことが書いてありました。
集合に役立つ鳴き方を「呼び鳴き」とか「独り鳴き」と呼んでいる。その後、♂が自分のごく近くにいる♀の存在に気が付けば、多くの鳴く虫は鳴く調子を変えて交尾を誘う。これを「誘い鳴き」とか「くどき鳴き」とか呼んでいる。(中略)大きくてどこにでもいる声のいいエンマコオロギでも、♀がそばにくると、急にかすれ声になり、調子も変わる。(p116より引用)
p115の図7.3には、エンマコオロギの呼び鳴き(ヒリヒリヒリ、リーリーリー、ヒリヒリヒリ、リーリーリー♪)と誘い鳴き(ヒリヒリ、リーーー、ヒリヒリ、リーーー♪)のオッシログラフが掲載されていました。
書籍では実際の音声を聞けないのが残念です。
私はてっきり発音器の翅が劣化したことで掠れ声になったのかと思ったのですが、そうではないのかもしれません。
改めて真剣に検討し直す必要がありそうです。
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バッタ・キリギリス(直翅目),
声紋解析,
鳴き声
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