2011/10/11

マダラコブクモヒメバチ♀?の身繕い



2011年9月下旬

軒下の材木置き場であちらこちらにクモが小さな不規則網を幾つも張っています。
その網に興味を示して忙しなく調べて回る蜂が一匹現れました(映像なし)。
クモを狩るハチではないかと直感して見ていると、残念ながら網にクモは居なかったようで(古巣?)、狩り(寄主へのアタック)は不調に終わりました。
ハチはそのままコンクリートの上で念入りに身繕いを始めました。
長い触角と産卵管が印象的です。
側面からのアングルしか確保できませんでした。
両脚を擦り合わせてから、産卵管を両方の後脚でしごいています。
化粧が済むと飛び立ちました。
素人目にはオオヒメグモに寄生・産卵するマダラコブクモヒメバチ♀と似ている気がするのですがどうでしょう。
初めて見つけた憧れのハチは、思ったより小さかったです(未採集、未採寸)。





ちなみに同じ場所で昨年(2010年6月下旬)、軒下奥に張られたオオヒメグモの不規則網に残されていた謎の繭を採集しています。
闇クモ画像掲示板にて問い合せたところ、マダラコブクモヒメバチ羽化後の空繭と教えてもらいました。





2011/10/10

ウスバカマキリ♀の卵鞘作り:15倍速映像



ウスバカマキリ♀の飼育記録

2011年9月下旬・室温23〜24℃

身重のウスバカマキリ♀(Mantis religiosa;体長61mm)が遂に卵鞘を作り始めました。

私の飼い方に問題があるのか、全ての中脚および後脚の先から壊死が進行し(原因不明)、自分で食い切った結果、移動などがきわめて不自由な体になってしまいました。
この日も上手く歩けないのに落ち着かないので卓上で遊ばせていたら、転んで自力では起き上がれないままもがいていました。
ちょっと目を離すと横たわったままPCモニターの陰に少しだけ卵鞘を産み付け始めていました。
(一瞬、白いガムがこびり付いているのかと誤認。)
そこでは観察に都合が悪いので、慌てていつもの止り木(斜めに立てた割り箸)に戻しました(逆さまにぶら下がる姿勢が落ち着くらしい)。

ネット検索で調べてみると、ウスバカマキリの卵鞘は野外では石の表面に見つかることが多いそうです(例1例2)。
準備しておいた適当な石を辺りに数個並べて置いてみたものの、安定した産卵姿勢を取れないことから結局あまり気に入らなかったようです。
すべすべした石の上に乗せてやってもすぐに滑落してしまうのです。
割り箸では産卵基質として不本意なのかもしれませんが、しばらくすると(諦めて?)そのまま一から卵鞘を泡立て始めました。

今回は静止画のインターバル撮影ではなく、動画モードで側面から長撮りしたものを15倍速の早回しにしました。
卵鞘作りの進行とともに少しずつ前に体をずらしていきます。
しかし脚の跗節(爪先)が全て失われているので弱った脚力ではずり落ち易く、ほぼ鎌だけで体重を支えているものの姿勢保持に苦労しています。
♀の負担を軽くするため斜めの止り木を水平に戻してやるか悩みました。
しかし下手に邪魔して中絶されても困るので、そのまま見守ることにしました。
途中までは順調でしたが、残念ながら最後の仕上げは形が歪になってしまいました。
(後半部が下に垂れ奇妙なオブジェに。)
止り木の先端近くで産み始めたことから、それ以上前に進めなくなったためだと思われます。
約1時間で完成、不自由な体でお疲れ様でした。
不恰好でもなんとか卵鞘が完成し、希少なウスバカマキリの次世代を残してやることができて私も少し肩の荷が下りました。


【追記1】
残念ながら、この気の毒なウスバカマキリ♀はなぜか産後の肥立ちが悪く体調が更に悪化し、嘔吐を繰り返すようになりました。
卵鞘一個を産んだだけで間もなく死亡しました†。

生前あまりにもカマキリの体調が悪いので、ハリガネムシの体内寄生を疑いました。
私は未だハリガネムシの実物を見たことはないのですが、こちらの動画を参考に、私のウスバカマキリ♀の腹部をしばらく水に浸してみました。
しかし検査の結果は陰性でした。
水責めされたことで生命の危険を感じたのか、その翌日に上記の卵鞘を作りました(遺作)。

【追記2】
翌年まで室内に置いていても、この卵鞘から幼虫は孵化してきませんでした。
未受精卵だったようです。
飼育した♀は採集時に交尾を済ませていなかったのでしょう。






2011/10/09

フクラスズメ(蛾)集団越冬の準備?



2011年9月下旬

木造家屋の軒下で2頭のフクラスズメArcte coerulaが寄り添うように横に並んで物陰に止まっていました。
まさかこれが交尾姿勢なの?と気になって翅をめくろうとしたら、飛んで逃げられました。(当然か…)


虫我像掲示板に投稿してみると、
フクラスズメはこんな風に隅っこでかたまって越冬したりします。
とのコメントを頂きました。
未だ9月ですけど、朝晩はめっきり寒くなりました。
気の早い個体が集団越冬の準備に入っていたのでしょう。


仲良き事は美しき哉
ちなみにフクラスズメの幼虫は激しい威嚇行動をすることで有名です。






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