2011/03/09

キアシナガバチ創設女王aの巣作り



2008年5月上旬

初期巣を巡るキアシナガバチPolistes rothneyi)女王蜂同士の格闘事件から4日後、軒下の同じ巣aを観察してみました。
巣房数は5から10室へと倍増していました。
女王の留守中に初期巣群の配置(古い廃巣も含めて計6個;a-f)を記録していたら、女王が戻って来ました。
しばらく身繕いや休息した後、巣作りに取り掛かります。

つづく→シリーズ#4

キアシナガバチ創設女王:喧嘩後の身繕い



2008年5月上旬

初期巣を巡るキアシナガバチPolistes rothneyi女王蜂二匹の争いは意外な形で決着が付きました。
長いこと格闘した末に両者ぼてっと落下(映像なし)。
片方は逃げ、勝者は辺りをふらふら飛び回った末にようやく元の巣を捜し当てて戻り(映像なし)、落ち着いて身繕い。
果たして初期巣乗っ取りの企てを阻止できたのでしょうか?
(個体識別しないと判断できなさそう...)


巣房は5室で卵も産んでありました。
軒下に同じような初期巣が最低3つ並んでいました。
デジカメを一脚で固定し、バリアングルの液晶モニターを活用したら90度の仰角でも楽な体勢で長時間撮れました(手持ちのミニ三脚では安定しなかった)。

つづく→シリーズ#3


【追記】
『日本動物大百科10昆虫Ⅲ』p42によると、アシナガバチの
女王単独による子育て期に、巣の乗っ取りがしばしばあることが最近報告されている。(中略)これが種間で起きれば、ヨーロッパのアシナガバチ類で知られている社会寄生になるが、日本のアシナガバチ類ではこの社会寄生は報告されていない。


松浦誠『社会性ハチの不思議な社会』によれば、
女王が単独で創巣する社会性ハチの多くの種では、同種のあいだでも、女王同士が初期巣をめぐって乗っ取りあいをすることは古くから知られている。こうした習性は、社会寄生性の種が誕生するうえで、重要な性質と考えられている。(中略)同種内の条件的一時寄生の場合、女王は、自分でも巣をつくる能力をもつが、時と場合によっては、同じ種の他の巣を乗っ取り、自分の働きバチを生産する。この例は、アシナガバチ、スズメバチ、マルハナバチの多くの種で知られている。 (p109より引用)



キアシナガバチ創設女王の喧嘩(初期巣の乗っ取り)



2008年5月上旬

軒下に何やら気配を感じて(虫の知らせ)見上げると、キアシナガバチPolistes rothneyi)女王二匹が一つの初期巣を巡り争っていました。
作りかけの優良物件を一方が乗っ取ろうとしているのでしょうか。
肉眼で見ている限りでは「格闘」や「殺し合い」と言うほど深刻そうではなくて、ひたすらくんずほぐれつ揉み合っているだけのような印象。
しかし静止画に撮って拡大して見ると相手にしっかり毒針を向けて戦っていたようです。 


南に面したこの軒下には同じような段階の初期巣が他に3つほど並んでいました(うち2個が古い廃巣)。
お隣の女王が戻る巣をうっかり間違えてトラブルになっただけかもしれません。 


※『あっ!ハチがいる!:世界のハチとハチの巣とハチの生活』晶文社 p112より 引用
「(アシナガバチが)危険なのは働きバチが羽化してからのことで、女王バチが一匹で巣を作っている時期(4月中旬から6月中旬頃まで)は、女王バチに攻撃性はなく、素手で直接つかんだりしないかぎり、刺されることはありません。安心して観察してください。」 
つづく→シリーズ#2

ランダムに記事を読む