2011/01/12

繭塊bから羽化した寄生蜂(コマユバチとヒメバチの二重寄生)

2010年10月下旬@里山の草叢

(繭塊aに関する前の記事はこちらをクリック→。)

実は同じ日に少し離れた位置からもう一つ白い繭の塊を採集していました。 
当時はてっきりムシヒキアブの卵嚢だと思い込んでいました(図鑑でしか知らない)。
飼育に失敗する可能性に備え、保険として二個採集したのです。 
繭塊の大きさはa < b。
草叢には白い繭が幾らでも見つかりました。


密閉容器に入れ室内で放置していると、この繭塊bからも多寄生の蜂が続々と羽化して来ました。
動画は撮ってませんけれど、写真でレポートします。

数日かけて寄生蜂が出尽くした後で容器内から死骸を回収して調べて見ました(計95匹)。

どうやら今回も二種類の蜂が混じっているようです。





大多数の蜂は黒色です(91匹)。
代表して10匹(b-k)をランダムに選んで接写してみました。 
腹端が尖っています。
もう一つの繭塊aから羽化した蜂と同じくコマユバチ科Cotesia属の一種なのだろうか。




4匹だけ他とは違うタイプの蜂が混じっていました(a-d)。
体は褐色で、長い産卵管を持ち、翅の黒紋が二重に見えます。
こちらはヒメバチ科なのだろうか。

なんとなくdの個体だけ様子が少し違う気がしますけど、よく分からないので一応このグループにまとめておきました。
別の繭塊aから出たヒメバチとも違う種のようです(翅の黒紋が違う)。

 いつもお世話になっている蜂類情報交換BBSに投稿してみると、ヒメバチの専門家の方から次のコメントを頂きました。
「このヒメバチは、トガリヒメバチ亜科Phygadeuontini族の一種です。おそらく、ハネナシヒメバチ属の有翅の種、Gelis areatorではないかと思いますが、これも標本を見なければはっきりとしたことは言えません。こちらは、コマユバチが繭を作った後に寄生したものです。」
二次寄生したヒメバチの方が寄主のコマユバチよりも体が若干大きく育つのは少し不思議な気がしました。
 
今回のケースも同一個体の寄主(鱗翅目の幼虫?)に二種類の蜂が共寄生していたのか、あるいは二重寄生だったようです。 

たまたま目についた一見似たような繭塊を二つ採集して調べただけで、複数種の寄生蜂を得られたことは全く驚きです。
しかし小さくて種類の膨大な寄生蜂は見分けるのが非常に困難で、専門家も写真鑑定では限界があるようです。


オオハナアブ♂の身繕いと吸蜜@セイタカアワダチソウ




2010年11月上旬

セイタカアワダチソウの花にオオハナアブ(Phytomia zonata)が止まっていました。
左右の複眼が頭頂部で接しているので♂だと思います。
頻りに手を擦り足を擦りしていました。
化粧が済むと口吻を伸ばし花の蜜を舐め始めました。


手ぶれ補正を駆使しても、風は虫撮り(接写)の大敵です。

揺れを少しでも軽減するため、茎を左手で抑えながら撮りました。

オオスズメバチの巣に御用心(刺傷例)



2009年10月上旬

林道横の茂みにオオスズメバチ(Vespa mandarinia japonica)が出入りしているのを目撃。
近くに巣があるらしい。
背後からそっと回り込み、杉木立の陰から茂みの奥を望遠で撮ってみました。
口に何かを咥えたワーカーが地中から続々と出てきて飛んで行き、入れ替わりに空荷で帰って来ます。
別のスズメバチの巣を襲撃しているのかと初めは思ったのですが、咥えていたのは黒っぽい土粒のようです。
巣の拡張工事で生じた不要な土砂を外に捨てていたのだろう。
ストロボを焚くと蜂を刺激しそうで怖くて、同定用の高画質写真は撮れませんでした。
映像を見直すと頭楯下の突起が2つであること(オオスズメバチの特徴)を辛うじて確認。
コガタスズメバチは地中に営巣しないはずなので除外できそうです。
オオスズメバチの巣を実際に見つけたのはこれが初めてでした。
巣の入り口が見えそうなアングルにそっと移動し、視界を確保するために目の前の雑草の茎を注意深く折っていたら遂にオオスズメバチを怒らせてしまいました。
本で読んだカチカチカチという警告音は聞き取れず、いきなり攻撃されました。
一匹の蜂が突然バシーンと飛び掛って来ました。
ぶつかると同時に右手親指の付け根を刺されました。
蜂の一刺しで「火箸を押し付けられたような灼熱痛」というのは本当でした。
どうやら巣に近付き過ぎたようなので、すごすごと撤退。
血の滲む傷口を水で洗い、飲み薬(抗ヒスタミン剤)と塗り薬(副腎皮質ホルモン+抗生物質配合の軟膏)で応急処置。
幸いアナフィラキシー・ショックなど大事には至りませんでした。
その晩、右手の甲全体が熱を持ってグローブのように腫れ上がりました。
入浴したのが良くなかったのかも。
ズキズキした痛みは我慢できるレベルですが、腫れた指が曲がらなくなりました。
その後は強い痒みが数日間続きました。
もちろん丸腰で近付いた訳ではないのですが、私の装備では全く不充分だったと身を持って学習しました。
まさに生兵法は怪我の元。
観察するにもスズメバチ専用の防護服が必要なようです。


万一に備えてエピネフリン注射器(エピペン)を携行すると心強いかもしれません。
誠に無謀でお恥ずかしい失敗談ですが、皆様くれぐれもお気をつけ下さい。
正しい知識と準備で冷静に対処しませう。 
(つづく)

《参考》
・『スズメバチはなぜ刺すか』 北海道大学図書刊行会
・『ハチの博物誌』 青土社 p114


【追記】
山内博美 『都市のスズメバチ』p41によると、オオスズメバチは
巣穴を拡張するため、巣の入口付近に中から運び出した土の固まりが放射状に散乱していることがよくある。


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