2026/08/30

池の水面に浮かぶ煮干しに群がるアメンボの謎

 

2026年4月下旬・午後14:30頃・晴れ 

山麓にある池Hで水生生物を定点観察しています。 
餌として持参した煮干しを池に投入してみました。 
煮干しの頭部は予め取り除き、縦半分に裂いてあります。 
水中に煮干しの匂い(出汁)が少しでも拡散しやすくするためです。 

しばらくすると、水面に浮いた煮干しに3匹のアメンボ(種名不詳)が乗っていました。 
アメンボは死んだ小魚から吸汁したり体外消化したりできないはずですから、ただ水面に浮いた煮干しに乗って休んでいるだけでしょう。 
あるいはもしかすると、乾燥煮干しから水中に溶け出したアミノ酸やミネラル成分をアメンボは口吻で吸汁しているのかもしれません。 
そのままいかだのように、水面を漂っています。 

アメンボは、隣の個体と脚で蹴り合って牽制しているようにも見えましたが、どうですかね?
途中から4匹目の個体が水面を遊泳してきて、煮干しに辿り着きました。 
死んでいる煮干しは水面に波紋を作りませんから、アメンボが誘引されるはずがありません。 
仲間が集まっているので、興味を持ったのかもしれません。 
いつの間にか水面の煮干しに誘引されたアメンボは1匹増えて、計5匹になっていました。 

やがて春風が吹いて煮干しが傾き、一気に水中へ沈みました。 
池に投入した乾燥煮干しが水を吸って、比重が大きくなったのでしょう。 
煮干しに群がっていたアメンボは、慌てて離脱・解散しました。 

煮干しが池の底に沈むと、たちまちヤマアカガエルRana ornativentris)の幼生が群がって食べ始めました。 
煮干しの姿が見えなくなるぐらい多数の黒いオタマジャクシが殺到しています。 
この池でオタマジャクシは強力なスカベンジャー(掃除屋)として死骸を始末してくれます。 

実は、縦に裂いた煮干しの残り半分は先に沈んでいて、オタマジャクシがすでに群がっていました。

池の水面と水中で別々のドラマが繰り広げられている上に、水面には陸地の世界が反射しています。 
MCエッシャーの有名なリトグリフ(版画)『三つの世界』を連想しました。 


つづく→

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