2023年3月下旬
小川に架かる天然の丸木橋を監視する自動センサーカメラにハクビシン(白鼻芯、白鼻心;Paguma larvata)が2回写りました。
シーン0:3/17・午後14:55・(@0:00〜)
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。
シーン1:3/25・午前0:59・(@0:05〜)
カメラの起動がなぜか遅れ(低温で電圧不足?)、かなり長い尻尾の動物が丸木橋を左岸へ渡り終えるところでした。
ハクビシンと思われますが、特徴的な顔の白黒模様は確認できませんでした。
シーン2:3/29・午前0:55・(@0:14〜)
4日後もほぼ同時刻の深夜に現れました。
今回もカメラの起動がやや遅れ、ハクビシンは丸木橋の途中で立ち往生していました。
右岸から左岸へ渡りかけて尻込み・断念し、結局は右岸へ引き換えしたのでしょうか?
それとも、左岸から右岸へ渡る途中で立ち止まり、倒木の分枝に匂い付けでもしたのかな?
長い尻尾が黒いのでハクビシンと分かります。
右岸に着いてから判明したのですが、この個体は右目が失明していました。
健常個体なら、トレイルカメラが照射する赤外線を反射して両目が爛々と光って見えるはずです。
この個体は正面を向いても左目しか光っていません。
隻眼のハクビシンは、前年も同じ川の流域に繰り返し出没しています。
これほど分かりやすい特徴があるので、同一個体と考えています。
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隻眼(片目)だと立体視が不自由で奥行きが掴めません。
木登りしたり、丸木橋を渡ったり、素早く逃げる獲物を狩ったりするのは苦手なはずです。
それでも雪国(多雪地帯)の厳しい冬を無事に越せたということは、隻眼でもさほどハンディキャップになっていないようです。
関連記事(2ヶ月前の撮影)▶ ニセアカシアの大木を逆さまに下りる雪国のハクビシン【トレイルカメラ:暗視映像】
更にシーン2の映像を見ると、丸木橋を軽快に走って右岸に渡っていました。
暗闇で恐る恐る丸木橋を渡っている訳ではないので、何度も通い慣れているようです。
シーン1では丸木橋を渡るハクビシンの左半身しか撮れていませんから、右目が失明した隻眼個体かどうか不明です。
この川の流域には同じ家族で両目が健常なハクビシンも複数生息していることが分かっています。
欲を言えば、この小川にトレイルカメラをもう1台追加で設置して、丸木橋の両側から同時に狙うべきかもしれません。
※ 動画編集時に自動色調補正を施すなどして、明るく加工しています。
余談ですが、暗視映像で撮ったりストロボを焚いて写真に撮ったりしたハクビシンの目がひときわギラギラ光って見えるのは、タペータム(輝板)が発達しているからだそうです。
参考サイト「奥多摩けもの道」 by 小川羊 氏
ハクビシンなどの夜行性動物は、眼の網膜下層の組織に「タペタム」(あるいは輝膜)という反射層があり、そこで光を反射しながら眼球の中で光を増幅している。ニホンザルなど昼行性動物ではタペタムはないので、目は光らない。 [ハクビシン(自動撮影カメラ)より引用]
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