前回の記事(1.5ヶ月前の撮影):▶ 白銀の雪原を歩くキジ♀3羽の群れ(冬の野鳥)
2023年3月下旬・午前8:40頃・晴れ
残雪が完全に消えた刈田をキジ♀(Phasianus versicolor)の群れが歩き回っていました。
地味な羽根色は見事な保護色で、枯野で立ち止まると見失いそうになります。
私に対する警戒を解くと、刈田を歩きながら地面を啄んで採食し始めました。
落ち穂拾いをしているのでしょうか?
関連記事(5年前の撮影)▶ 田んぼに実った稲穂を採食するキジ♂(野鳥)
しばらくすると、キジ♀は刈田に隣接する土手を慎重に登り、用水路のコンクリート護岸の縁まで出て来ました。
そして次々に飛び立つと、幅3m弱の用水路を飛び越えて隣の刈田に移動しました。
群れの規模が分からなかったのですが、少なくとも5羽のキジ♀が飛んで横切りました。
飛んだ行き先を見失ってしまいました。
キジ♀が飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:09〜)
足を深く屈めてジャンプしながら力強く羽ばたいて飛び立ちます。
最後の個体はコンクリート護岸を助走しながら飛び立ちました。
離陸後は足を体に引き付けて空気抵抗を減らしています。
もしかすると、しつこくカメラを向けて撮影する私を警戒して逃げたのかと思ったのですが、田園地帯の上空を見上げるとトビ(Milvus migrans)が黙って(鳴かずに)帆翔していました。
※ トビの飛翔シーンでは、翼の下面の斑紋が見分けられるように逆光補正を施しました。
トビの食性は主に死肉食(スカベンジャー)とされていますから、キジ♀がトビに襲われる心配はないはずです。
それでもキジ♀は上空に飛来した猛禽を警戒して、開けた刈田から物陰に逃げ込んだ可能性もありそうです。
田畑の農作物を鳥の食害から守るための防鳥グッズの一つとして、最近タカに擬態した凧が市販されています。
関連記事(4、5年前の撮影)▶
これが宣伝通りの防鳥効果があるのであれば、今回のキジ♀も上空を飛ぶトビの姿を見て逃げ出しても不思議ではありません。
しかし映像を見る限り、キジは上空を見上げず、警戒声も発しませんでした。
「キジも鳴かずば打たれまい。」
一方、キジ♂は♀と行動を共にせず、刈田のどこかでケンケーン♪と鳴く声だけ聞こえました。
午前中からよく晴れて、地面から陽炎が立ち昇っています。
※ 用水路の幅を測定すること。
【追記】
鳥の音声言語を研究している鈴木俊貴氏によると、シジュウカラは天敵のタカが飛来すると「鷹だ警戒しろ!」と警戒声を発するのに、トビが飛来しても平気なのだそうです。
つまり被捕食者の小鳥は猛禽類の中でも種を見分けて適切に反応しているらしい。
キジの場合はどうなんでしょう?
↑参考動画:【タカは怖いがトンビは平気】動物言語学者あるあるが狭すぎるwww by ゆる言語学ラジオ
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