2023年3月下旬・午後14:40頃・晴れ
平地の河畔林で根雪がすっかり溶け去ると、枯れ草に覆われた林床には見慣れない黄色い花が点々と咲いていました。
早春に咲くスプリング・エフェメラルのひとつと思われますが、帰宅してから調べてみるとキバナノアマナという名前と知りました。
(ヒメアマナの可能性は?
)
ピッキオ『花のおもしろフィールド図鑑 春』でキバナノアマナを調べると、
ビロウドツリアブ(=ビロードツリアブ;Bombylius major)がキバナノアマナに訪花していました。
北日本に多く、比較的自然の残った所で見かけます。(p281より引用)
長い口吻で吸蜜している間も羽ばたきを止めませんが、よく見ると黄色い花弁に足を掛けていました。
ツリアブの仲間はホバリング(停空飛翔)が得意ですけど、今回は吸蜜ホバリングとは言えません。
すぐに飛び立てるように、アイドリングのように羽ばたき続けているのでしょう。
ビロウドツリアブの高速羽ばたきを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:40〜)
花から花への飛翔(ホバリング)中は前脚と中脚を揃えて前方に伸ばし、後脚は左右に広げていました。
「訪花中も羽ばたきを止めない」と断定したいところですが、ひとつの花に長居するときは羽ばたきを止めていました。
生き物の観察では仮説を立てても例外や反例がすぐに出てきてしまいます。
小刻みな羽ばたきがじわじわと減衰して止まりました。
ストロボ効果で高速羽ばたきが止まって見えるのではなく、本当に翅を休めています。
花筒の奥の蜜腺にはなかなか口吻を挿入しなかった(手こずっていた?)ので、花粉を延々と舐めていたのかもしれません。
複数個体を撮影。
吸蜜の合間にビロウドツリアブは林床で日光浴していました。
別個体が縄張りに侵入すると迎撃して軽い空中戦を繰り広げたことから、♀が飛来するのを待ち伏せしている♂ではないかと思います。
せっかく面白い行動だったのに、動画では撮り損ねてしまいました。
雪国の冬は何ヶ月も虫が撮れないので、ブランクが開けた早春には毎年どうしても、虫撮りが下手糞になっています。
反射神経や予測が鈍っているのです。
コツを取り戻すまでにしばらく練習やリハビリが必要です。
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