2022/10/17

タヌキと同じ溜め糞場に排便するニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年7月下旬・午後21:33 

里山のスギ林道に残されたタヌキの溜め糞場sを自動撮影カメラ(トレイルカメラ)で監視していると、意外な野生動物が現れました。 
カメラの起動が間に合わず、どこから登場したのか撮れていないのは残念です。 
ニホンアナグマMeles anakuma)が溜め糞に左向きで跨がり、長い落枝の上で軟便をボトボトと排泄しています。 
アナグマの排便シーンは初見です。 
アナグマの糞は特有な絵の具のような匂いがするそうなので、確かめないといけません。 

興味深いことに、この溜め糞場sはタヌキとアナグマが共有していることが判明しました。
糞の多い方や匂いの強烈な方がいずれは溜め糞場を独り占めするのでしょうか? (糞による匂い付けで熾烈な冷戦状態?)
異種の排泄した糞の上に対抗して排泄するのか、それとも2種は少し離れた場所に排便して共存するのかどうか、これから注目していきましょう。
この2種が夜の溜め糞場でばったり遭遇したら、どうなるのでしょう?

脱糞後のアナグマは一旦、画面左下隅の死角に消えてから画面の下から再登場しました。 
溜め糞場の周囲をうろついてから、林道を右へ走り去りました。 

赤外線の暗視映像でアナグマを撮ったのは初めてなので勝手がよく分からないのですが、アナグマの顔にトレードマークの黒い縞模様が見えません。 
白飛びしてしまっているのか、それとも、この個体は全身が白毛のアルビノなのですかね? 

ポケット版学研の図鑑9『フィールド動物観察』によると、
アナグマは、タヌキのように「ためふん」をします。ためふんをする場所は、巣の出入り口の近くにあります。ふんはタヌキのものににていますが、足あとや、ふんに昆虫が多く入っていることで区別できます。あさいあなをほって、そこにふんをします。(p78より引用)
この記述が正しければ、近くにアナグマの巣穴があることになります。 
しかし今回の個体は「浅い穴を掘って糞をする」ことはしませんでした。 
藪が多い山林で素人(アマチュア)がどうやったらアナグマの営巣地(セット)を見つけることができるのか、思案のしどころです。 
プロの研究者は、罠を仕掛けて生け捕りにしたアナグマに電波発信機を装着してテレメトリー調査で巣穴を見つけるのだそうです。 
賢い飼いイヌを山に連れて行き、得意の嗅覚を使って「ここ掘れワンワン」と巣穴を探り当てたらお手柄です。
例えばダックスフンドという犬種は元々、巣穴の中にいるアナグマを狩る目的で手足が短く品種改良されたのだそうです。
しかし私の目的は狩りや駆除ではないので、イヌが吠えて危険を感じたアナグマが巣穴を放棄して逃げてしまっては元も子もありません。
アナグマがホンドタヌキのように冬も活動する動物なのであれば、雪面に残った足跡を辿って巣まで追跡できそうです。
しかしアナグマはツキノワグマのように冬ごもり(冬眠)するので、その方法も使えません。




【追記】
群れメンバーは自分の群れのなわばりの境界のため糞にフンをする性質がある。(p114より引用)

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