2021/05/16

イラガ(蛾)の硬い繭を割って前蛹を捕食するシジュウカラ♂(冬の野鳥)

 

2021年1月中旬・午後12:20頃・小雪 

庭でケヤキの細い枝先に作られたイラガMonema flavescens)の繭をシジュウカラ♂(Parus minor minor)が嘴でコツコツとつついていました。 
細い枝先は激しく揺れて力が入りづらいようですが、根気強く何度もつついています。 
シュウ酸カルシウムを硬化材のタンパク質で固めた最強の繭もシジュウカラ♂は遂に叩き割ってしまいました。 
繭の中で越冬していた黄色い前蛹をほじくり出すとシジュウカラ♂はケヤキの小枝を横に少し移動し、獲物を右足で押さえつけながら美味そうに食べました。 
採食シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
食後は嘴を足元の小枝に擦り付けて掃除すると、探餌行動を再開しました。 
庭木の葉を食い荒らすイラガの幼虫が過剰に大発生しないのは、冬の間に天敵の野鳥(アカゲラやシジュウカラ)がイラガの越冬繭を捕食して間引いてくれるからです。

▼関連記事(9、11年前の撮影) 
イラガの繭を突付くシジュウカラ♂【冬の野鳥】 
シジュウカラ♂の採食行動(イラガの繭は割れず)【冬の野鳥】

冬の庭に来てイラガの繭を割るのを見たシジュウカラは今のところ♂だけです。 
厳しい雪国で野鳥のシジュウカラの寿命が10年以上あるとは思えないので、同一個体の♂が毎冬この庭を縄張りとしている可能性は低いはずです。 
未だ観察例が少ないので偶然かもしれませんが、♀のシジュウカラはイラガの繭を割れないのですかね? 

ところで、樋口広芳『森に生きる鳥:ヤマガラのくらし』という本を読んでいたら、鳥にも利き足があることを知りました。
昆虫などの動物質のもののときには、かたほうのあしのあしゆび全体で、それをおさえ、くちばしでつついたり、ひきちぎるようにしてたべます。  このさい、どちらのあしでおさえるかは、それぞれの鳥でかなりはっきりときまっています。(中略)このような右きき、左ききがあることは、鳥ではほかに、シジュウカラやオウムのなかまなどでしられています。(p56より引用)
ちなみに、今回のシジュウカラ♂個体は右利きでした。 
今後も鳥の利き足に注目していきたいと思います。

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