2021/05/22

鼻息で威嚇しながら深雪をかき分け里山の急斜面を登るニホンカモシカ

 

2021年1月下旬・午後13:00〜13:30頃・晴れ 

スノーシューを履いて里山を探索していると雪面を歩く足跡(蹄跡)を見つけたので、追跡を始めました。 
前日に降り積もった新雪がパウダースノー(乾雪)の状態で、午前中は絶好のアニマルトラッキング日和でした。 
しかし日が高く昇るにつれて気温も上がり、雪面がどんどん溶けて重い湿雪に変化します。
スノーシューで1歩ずつキックステップしないと登れないほど急な斜面を私が息を切らしながら直登していると、上からフシュフシュ♪というニホンカモシカCapricornis crispus)が発する鼻息威嚇が繰り返し聞こえました。 
足跡を残した主はイノシシかと内心期待していたのですが、どうやらカモシカだったようです。 
※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

 姿が見えないので、私もカモシカの真似してシュッ♪という鋭い歯舌音で応酬してみます。 
これが逆効果だったようで、ニホンカモシカの鼻息威嚇が次第に遠ざかってしまいました。 
しばらく見上げていると、急斜面の落葉樹林の間を縫うように動くカモシカを発見。 
深雪を力強くラッセルしながら急斜面を登って行くする後ろ姿がチラッと見えました。 
私の方を振り向かずに鼻息威嚇♪していました。 

私も頑張ってカモシカに追いつきたかったのですが、脚の疲労も考え、追跡を諦めて下山することにしました。 
とにかく斜度があまりにも急峻過ぎます。 
今回の山行で右膝を捻って古傷を少し痛めてしまいました。 
急斜面で雪質が重い「腐れ雪」になると、スノーシューの取扱いが難しくなります。 
むしろスノーシューを脱ぎ捨てて、壺足で登るべきでした。 
こういうときにドローンという文明の利器があれば、一気に形勢逆転して野生のカモシカを空撮できたかもしれません。

下山中に複数個体のカモシカの足跡(ラッセル跡)を見つけました。 
単独行動を基本とするカモシカには珍しく、2〜3頭の家族群だったようです。 

捕食者や天敵に追われたら急斜面を登って上に上に逃げるのがカモシカの生存戦略なのでしょう。 
ニホンカモシカは同じ有蹄類のイノシシよりも急斜面に強くて健脚です。 
岩山でも雪山でも急峻な山岳地帯を難なく直登するので、追跡するのは困難です。

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