2021年1月下旬・午後13:45頃・くもり
少量の糞を排泄すると、なぜか足元の枝に嘴を頻りに擦り付けました。(@0:29)
鳥が食後によくやる行動なのですが、この場合は場違いなので、カメラを向けている私に対する苛立ちから来た転移行動かもしれません。
しばらくするとツグミは飛び去りました。
動画で聞こえる鳴き声は、その別個体が発しているようです。
(※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。)
カメラのバッテリーが切れてしまい、私が慌てて交換している間に2羽のツグミが軽く小競り合いになりました。
交尾のように見えたのですが、ツグミは真冬に交尾しますかね??
動画に撮り損ねたのは残念です。
ツグミが来ていたソメイヨシノには落葉した枝の中で青々と茂った葉が鞠のように育っていました。
ズームインしてみると、寄生植物のヤドリギでした。
厳冬期にヤドリギを間近で見れたのは初めてです。
常緑の葉は意外にも色あせていました。
今年の冬は雪が多いので、日照不足や低温障害なのかもしれません。
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冬になるとヤドリギの果実(液果)を野鳥が食べに来て、脱糞することで種子散布に貢献しているという話が有名です。
今回もツグミはヤドリギの実を目当てに来たのかと思ったのですが、撮影アングルを変えながらヤドリギにいくらズームインしても果実は全く見当たりませんでした。
鳥に全て食べつくされてしまった後なのかな?
調べてみると、ヤドリギは雌雄異株らしいです。
今回見つけたヤドリギが雄株なら、実がならないのは当然です。
雌株だけでも受粉できなければ、結実しません。
つまり宿主となる1本の樹木に複数のヤドリギ(しかも雄株および雌株)が寄生しなければ、ヤドリギは結実できない(子孫を残せない)ことになります。
定点観察に通って、桜を宿主とするこのヤドリギ個体の季節変化を追うことにします。
※ 動画編集時にコントラストではなく彩度を少し上げました。
【追記】
日本には居ない鳥らしいのですが(まれに迷鳥)、ヤドリギツグミというツグミ科の種がいるそうです。
好物であるヤドリギの実がなった株を縄張りとして防衛し、種子散布に貢献することでヤドリギと共生関係にあるそうです。(詳しくは英語版wikipediaを参照)
【追記2】
ヤドリギの種子散布者は鳥に限らず、ニホンザルの場合もあるそうです。
ただし、今回の観察地点は郊外ですけど山からだいぶ離れているため、ニホンザルの群れが採食のために遊動してくるとは考えにくいです。
ヤドリギの果実は人間が食べてもおいしいが、この被食型散布(鳥などが食べるときに種子を嘴や身体にくっつけて運ぶことがあり、複合動物散布型とされることもある)をする。この種子の表面は粘着質で、排泄された後、樹木に付着するようになっている。この実をたくさん食べたニホンザルを観察していたところ、サルは、この種子からなる粘着質の糞が肛門の周りにくっついてしまったのを嫌がり、手でこそげとって、登っていた木の枝に擦りつけていた。 (大井徹『獣たちの森』p135より引用)
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