2020/08/23

ノイバラの花を舐めるツマグロコシボソハナアブ♀



2020年6月上旬・午前11:00頃・晴れ

農道沿いに咲いたノイバラの群落で、細い体型の見慣れない黒いハナアブが訪花していました。
広げた翅をかすかに上下しながら花蜜や花粉を口吻で舐めています。

まるで毒針を持つ狩蜂(有剣類)のように腰が細いので、もしかすると狩蜂にベイツ型擬態しているのかもしれません。
透明な翅に黒い縁紋が目立ちます。
左右の赤い複眼が接していないので♀のようです。
調べてみると、ツマグロコシボソハナアブ♀(Allobaccha apicalis)と判明しました。

そこへ1匹のセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀が飛来するとツマグロコシボソハナアブ♀は少し飛んで逃げ、隣の花に移動しました。
おかげで今度は側面から撮れました。
見れば見るほど狩蜂にそっくりで格好良く、とても気に入りました。
再びセイヨウミツバチが乱入して、追い払われてしまいました。
どうもミツバチは蜜源植物でライバルとなるハナアブに対して占有行動しているようです。
だとすれば、ミツバチの目には狩蜂に擬態する作戦は通用しないことになります。
ベイツ型擬態は、鳥などの捕食者に対する自衛手段なのでしょう。

採餌活動に忙しいミツバチはハナアブのことなんか眼中に無くて、ツマグロコシボソハナアブ♀の方が勝手に怖がって逃げ出したように思うかも知れません。
しかしミツバチとの二度の小競り合いを1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、一回目のミツバチは空中で狙いを定めて訪花中のツマグロコシボソハナアブ♀に飛びかかっている(威嚇)ように見えます。
二回目のニアミスは確かに、ミツバチはハナアブのことなんか眼中に無さそうです。




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