2019/12/22

ミツバアケビ葉裏の巣上で水滴を吐き戻すキボシアシナガバチ♀



2019年8月中旬・午後16:45頃

川岸で立ち枯れした木(樹種不明)に巻きついて伸びたミツバアケビの葉陰にキボシアシナガバチPolistes nipponensis)の巣を見つけました。

私が蜂の巣の存在に気づかずに周囲の茂みをガサガサと揺らしてしまい、怒ったワーカー♀が飛び回ります。
9年前に顔を刺されたのと似た状況で、肝を冷やしました。

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タニウツギ葉裏に営巣したキボシアシナガバチ(刺傷例)

慌ててフリーズして蜂が落ち着くまでやり過ごします。
このとき反射的に蜂を払いのけようと手を大きく動かすのは禁物です。
強い意志の力で動きを完全に止め、落ち着いてからゆっくりと後退するのが安全にアシナガバチをやり過ごすコツです。
蜂を興奮させる黒い服を来てこなくて幸いでした。
巣に止まったワーカー♀3匹が半開きにした翅を細かく震わせて威嚇しています。

育房を塞ぐ繭キャップが鮮やかな黄色なので、キボシアシナガバチと分かります。(他種の繭キャップは白色)
羽化済みの育房も見えます。

私がしばらくじっとしていたら、コロニーの警戒が解かれ落ち着きを取り戻してくれました。
こうなれば写真撮影のフラッシュを焚いても大丈夫です。


左上の個体が口から透明な水滴を吐き戻したのは巣の冷却水なのかな?
水滴で育房を濡らして回っているように見えます。
営巣地はミツバアケビの葉裏ですから直射日光は当たらず、巣の温度はそれほど高くならないはずです。
(気温を測り忘れました。)

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巣の冷却水を飲みに通うキアシナガバチ♀

不思議に思いつつ見ていると、この個体は口から水滴を出したまま巣上で方向転換し、身繕いを始めました。
自分の体温を冷やすための行動だとすると、扇風行動をしていないのが不思議です。
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水滴を吐き戻すハクサンベッコウバエ

残る可能性としては、幼虫から口移しでもらった栄養交換液かもしれません。
上の育房(巣盤の端)には老熟幼虫が見えます。
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巣盤の裏側にもっと蜂が隠れていたのかもしれませんが、少なくとも計4匹の成虫♀が在巣でした。


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