2014年8月上旬
山道の休憩処(東屋)のコンクリート床面をクロオオアリ(Camponotus japonicus)のワーカー♀(働きアリ)が餌を探して何匹も徘徊しています。
童謡「お使いアリさん」の歌詞「あんまり急いでこっつんこ、アリさんとアリさんとこっつんこ♪」にある通り、出会い頭に2匹が激しい喧嘩を始めることがあります。
巣の位置は不明ですが、敵対する別のコロニー出身なのでしょう。
大顎で噛み合いながら、腹側前方に屈曲した腹端から蟻酸を噴出して争います。
(クロオオアリは毒針を持ちません。)
喧嘩別れした後は身繕いして蟻酸の付着した触角を拭っています。
大型のクロオオアリが小型の個体を出会い頭に噛み殺しました。(@1:22〜1:45)
体格差があり過ぎると、このようなことも起こるようです。
瀕死の小型個体を餌として巣に持ち帰らずに立ち去りました。
獲物が小さ過ぎて、巣に持ち帰るコスト(労働量)に見合わないのでしょうか。
とても好戦的で喧嘩っ早く、化学兵器(毒ガス)による闘争シーンを複数個体で撮影することができました。
後で思うと、こういう時こそ魚露目レンズの出番だったかもしれません。
▼つづく
クロオオアリ♀出会い頭の挨拶
喧嘩直後の大型個体を1匹だけ採集しました。
標本写真。
【追記】
秋野順治 『アリの喧嘩の謎にせまる:どうやって巣仲間を見分けるのか』によると、
一般には、別の種類のアリに対するより、同じ種類でも別巣のアリに対して、より激しく攻撃を仕掛けます。私たちが見かけるアリの喧嘩は、そのような家族間の抗争なのです。 (ポピュラーサイエンス『動物たちの気になる行動(1)食う・住む・生きる篇』p54より引用)
クロオオアリでは、巣仲間を数日間離れ離れで飼育すると、互いを巣仲間として見分けることができなくなり、取っ組み合いの喧嘩を始めてしまいます。(同書p56より)
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