2013年9月中旬
樹液が滲み出しているミズナラの幹に2匹のミヤマクワガタ♂(Lucanus maculifemoratus)が別々に止まっていました。
こちらの個体♂aは幹で緩慢に動いていました。
やや高所なので、下から見上げても樹液を舐めているかどうか口元を確認できません。
ときどき鞘翅を開きかけては止めるという謎の動きをモジモジと繰り返しています。
飛び立つ前兆かと思いきや、違うようです。
腕を伸ばして手掴みで捕獲してみると、体長はともかく大顎の発達が悪い個体でした。
しかも左右の大顎が非対称です。
幼虫期の栄養条件が良くなかったのでしょうか。
喧嘩したのか左の鞘翅に傷跡凹があります。
掌に乗せたまま仰向けにすると、なかなか自力では起き上がれません。
脚の腿節腹面に褐色紋が目立ちます。
小学館の学習百科図鑑49『クワガタムシ』p80によると、
夜行性の種では黒い色をしたものが多く、昼行性の種では黒以外の体色、たとえば茶色や青い色をしたものが多く見られます。
ミヤマクワガタの行動を観察していると昼行性と夜行性の両方が見られます。寒冷地では昼行性、温暖地では夜行性になる傾向があります。ミヤマクワガタの体色は栗色で、黒とも茶ともいえないやや中途半端な色合いです。体色と行動形式の多様さとの関係が推察される材料といえます。
つづく→「ミズナラの樹液を舐めるミヤマクワガタ♂b」
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