2012年9月下旬・気温18〜19℃
この秋の目標の一つは、秋に鳴く虫として身近にいるアシグロツユムシ♂(Phaneroptera nigroantennata)が鳴く動画をものにすることでした。
飼育下の夜間でないと難しいかなと思いきや、意外にもフィールドでしかも昼間に撮影成功しました。
同時期に数匹飼育してみて、撮り方や鳴く前の前兆というか気配のようなものが分かったのでその経験が活きました。
ナギナタコウジュの群落で多数の♂が断続的に鳴き交わしていたのですが、近くのタニウツギの葉に陣取った♂が一番頻繁に鳴いているようだったので、これに狙いを定めました。
近くに居る別個体の♂と鳴き交わしているようです。
鳴くまで辛抱強く長撮りを繰り返しました。
鳴かぬなら鳴くまで待とうアシグロツユムシ鳴き声をなるべく明晰に録音するためにはマクロモードでカメラを被写体に目一杯近づけたいところですが、警戒されそうなので少し離れた位置(4倍ズーム)で妥協しました。
風が吹いたり野鳥の鳴き声やスズメバチの羽音など、ピンクノイズが多いのは仕方ありません。
カメラのバッテリーを使い切るまでひたすら撮り続けました。
鳴いているときの発音器(翅)の動かし方をスローモーションでも記録したかったので、同一個体の♂でハイスピード動画(220 fps)でも撮ってみました。
アシグロツユムシ♂の鳴き声を声紋解析してみる
ヒトの耳にはかすかに「ジキーッ・ジキーッ…♪」または「ジュキーッ・ジュキーッ…♪」と聞こえるだけの地味な鳴き声ですけど、スペクトログラムを描いてみました。
後半の声紋は別個体の鳴き交わし |
私のカメラの録音では高周波数域がカットされ音質が劣化していることが分かっています。
比較のため「虫の音WORLD」サイトからダウンロードさせてもらったアシグロツユムシ♂の鳴き声(高音質MP3)からも同様にスペクトログラムを描いてみました。
2声鳴いたデータを1秒間ずつ切り出して解析しました。
いずれにせよ、あまり面白味のある声紋ではありませんね。
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