2012年8月上旬
山地のフィールドで捕獲したジガバチの仲間♀を個体識別のため炭酸ガス麻酔下でマーキング(黄色)しました。
いつもお世話になっている蜂屋のヒゲおやじさんに写真鑑定してもらったところ、ヤマジガバチだろうとの回答を頂きました。
蜂蜜をなめる個体の中胸背板の画像をみると、おそらく「ヤマ」でいいと思います。麻酔から完全に回復するまでの間に蜂蜜の原液を一滴与え、もてなしました。
早速、黒く長い舌を伸ばして吸蜜しています。
その後、このヤマジガバチ♀黄を放虫して追跡してみたのですが、林縁の潅木で見失ってしまいました。
片手間にほんの数匹マーキングするだけでは駄目ですね。
本腰を入れて、辺りに生息するジガバチ全個体を捕獲・標識する意気込みでやれば何か面白いことが分かるかもしれません。
営巣活動を観察・撮影するのか、一時捕獲して個体標識するのか、それとも同定してもらうため標本を採集するのか、いまいち目的が定まらず中途半端でした。
徘徊@放虫後 |
同じ日に同じ場所でヤマジガバチ♂も個体標識(黄色)しました。
低空飛行と地上徘徊を繰り返す♂をしつこく追いかけて林縁のリョウブに訪花したところを捕獲しました。
♂は全身が痩せっぽちで顔が白いのですが、頭楯を接写してみると銀色の毛が密生していました。
同様に蜂蜜を与え、吸蜜する口器の動きを接写してみます。
口髭でリズミカルに蜜滴の表面に触れています。
後で思うと、捕獲した♀♂ペアの交尾行動を飼育下で観察してみればよかったですね。
【追記】
アナバチ類の触角は♂で13節、まれに12節、♀で12節ある。(『日本動物大百科10昆虫Ⅲ』p44より)
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