2010年9月中旬
山地の道端でお地蔵さんのお供え物の横に止まっていた虻です。
両手を擦り合わせ、顔を拭います。
後脚で腹部背面も掻いています。
黄色と黒の縞模様でいかにも危険そうな信号を全身から発しており、まさに「蜂の威を借る虻」です。
「一寸のハエにも五分の大和魂BBS」にて問い合わせたところ、シロスジナガハナアブ♀(Milesia undulata)とご教示頂きました。
本種のベーツ擬態は外見だけにとどまらず、捕まえると尾端を押し付けるようにしてまるでハチが刺すような真似をするのだそうです。
ブラフにしてもそこまで徹底するとは天晴。
今度は是非それを試してみよう。
飛んでいる姿はキイロスズメバチやキアシナガバチにそっくりだったように記憶しています。
【追記】
石井誠『昆虫のすごい瞬間図鑑:一度は見ておきたい!公園や雑木林で探せる命の躍動シーン』という本を眺めていたら、まさにこの昆虫を撮影した見事な生態写真がp108に掲載されていました。
ベイツ型擬態の見事な例として、モデルと考えられるホソアシナガバチの写真と並べて挙げられています。
しかし、キャプションの「フトハチモドキバエ」はシロスジナガハナアブの誤同定だと思います。
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