2010年9月中旬
青い金属光沢で宝石よりも美しく輝く蜂が林道でキク科の花から花へと忙しなく飛びながら蜜を吸っていました。
オオセイボウ本土亜種♀(Stilbum cyanurum pacificum)を撮れたのは初めて。
非常に興奮しました。
人の気配に敏感で逃げてしまうというよりも、個々の花の蜜量が少ないので次々に訪花せざるを得ないという印象でした。
撮影後に蜂を運良く採集できたのですが、固く丸まった状態で死後硬直した標本はこじ開けるのに苦労しました。
ネット検索で調べた標本軟化法を試したりしたのですが、結局はピンセットで力任せにこじ開けました。
産卵管はぺらぺらの柔らかい素材で、刺すことはないそうです。
「竹筒ハチ図鑑サイト」によると、本種はエントツドロバチやスズバチなどの巣に労働寄生するそうです。
確かにこの日も林道を歩きながらスズバチを何匹も見かけたので、主な寄主はこちらなのだろう。
アルマジロを思わせるこの堅固な防御姿勢は寄主との喧嘩に備えたものらしい。
※ こちらのブログでスズバチの巣に産卵するオオセイボウの見事な写真が掲載されています。
一方、蜂が来ていた花について調べるとダンドボロギクおよびベニバナボロギクと判明。
てっきり連日の猛暑で蜂の蜜源が不足し、窮した蜂がつぼみ(蕾)から強引に吸蜜しようとしているのかと早合点しました。
しかしこれはこれで立派な花なのだそうです。
山火事や森林伐採後の先駆植物として有名らしい。
確かにこの林道は最近伐採されて丸裸になった山肌を貫いており、納得しました。
咲き終えた花から白い綿毛の付いた種子が大量に風で飛ばされていました。
【追記】
ダンドボロギクは覚えにくい変な名前の植物だなー(ダンドボロとは何ぞや?)と思っていたら、語源としてはダンド・ボロ・ギクと音節を区切るのだそうです。
昭和初期に侵入した北米原産のダンドボロギク。和名は最初の発見地、愛知県段戸山から。(朝日選書『緑の侵入者たち:帰化植物のはなし』p18より)
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