2013/07/21

ヒバリ♂(野鳥)の囀りを声紋解析してみる



2013年6月中旬

農耕地の上空でヒバリ♂(Alauda arvensis japonica)が賑やかに囀りながら天高く飛んでいました。
これぞまさしく美空雲雀♪



何度もぐるぐる旋回している範囲が縄張りなのでしょうか。
意外に狭い気がします。
飛んで飛んで飛んで…回って回って回る〜♪

映像の前後半で別個体だったかもしれません。
急降下して地上に着陸した映像はあまり上手く撮れなかったので割愛。

ヒバリのさえずりを声紋解析してみる
いつものようにオリジナルのMTS動画ファイルから音声をWAVファイルに抽出してから囀りを適当に切り出し、スペクトログラムを描いてみました。
なかなか複雑な声紋が現れました。

個体によって鳴き方にレパートリーの違いや微妙な個性があるのですかね?


映像の前半部より

映像の後半部より
【追記1】
ヒバリの囀りが2分以上も息が続く秘密は、『スズメの少子化、カラスのいじめ:身近な鳥の不思議な世界』p36によると
鳥は、吐く息でも吸う息でも声が出せるので休まず鳴き続けることができる。




【追記2】
野上宏『小鳥:飛翔の科学』を読むと、さえずり飛翔について一章を割いて詳しく解説してありました。
ヒバリのさえずり飛翔(song flight high overhead)上昇中の上り鳴き、滞空飛翔中の空鳴き(舞鳴き)、下降中の下り鳴きを使い分けている。繁殖期の縄張り宣言である。(p105より)


 繁殖期のヒバリは”上り鳴き”をしながら次第に高度をとり、”空鳴き”または”舞鳴き”の滞空飛翔へ移行する。 旋回やホバリングで滞空飛翔をしていたヒバリは”下り鳴き”に移り着地するが、地上近くになったら、時には羽ばたきも滑翔もなく、翼を広げたまま水平位でバランスを保ちながら垂直に下降し、目標地点に着地する技量を持っている。 しかし時には”下り鳴き”を続けながら翼を畳み、頭を下にしてハヤブサのようにほぼ垂直に急降下してくることもある。(p31より)


【追記3】
水野仲彦『野鳥のくらし―卵から巣立ちまで』によれば
天空でのさえずりは、他のヒバリの侵入を許さない縄張り宣言なのである。領空上でぐるぐると、ゆるやかな円を描きながらさえずり、チュールリ、チュールリと鳴き方が変わると降り始め、最後の20〜30メートルは翼をすぼめて石のように落下、縄張りの中の草原に降り立つ。(p24より引用)






0 件のコメント:

コメントを投稿

ランダムに記事を読む