2025/01/31

晩冬から早春にかけてスギ倒木を夜に見回る雪国のホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年2月下旬および3月下旬

シーン0:2/20・午後14:26・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間に撮れた現場の状況です。 
平地のスギ防風林で、画面の手前から左奥に向かって根こそぎ倒れた「根返りスギ」の根元にある「根曲がり巣穴a」を自動撮影カメラで見張っています。 
今回はカメラの設置場所をいつもとは少し変えてみました。 

異常な暖冬のため、林床の積雪は完全に溶けてしまっています。 
根曲がり巣穴aでニホンイタチMustela itatsi)が越冬していたのですが、その姿を見かけなくなってしまいました。 


シーン1:2/21・午前4:52・(@0:04〜) 
未明に、冬毛のホンドテンMartes melampus melampus)が久しぶりに写りました。 
倒木から地面に飛び降りて、左へ走り去りました。 


シーン2:3/19・午後14:06・晴れ(@0:11〜) 
林床に再び雪が少し積もっていました。 


シーン3:3/22・午前3:06・(@0:15〜) 
丑三つ時に、テンが手前の水平倒木に乗って立ち止まり、奥を向いていました。 
タヌキの残り香が気になるのか、あちこち匂いを嗅ぎ回っています。 
その後、テンは奥に飛び降りたものの、根曲がり巣穴aには立ち寄らず、奥に走り去りました。 
これほど至近距離から撮れたのに、監視カメラには全く気づいていないようです。 


シーン4:3/26・午前0:32・(@0:44〜) 
4日後の深夜にも、落葉樹の曲がりくねった「根曲がり」を乗り越えてゆっくり奥へ行くテンの後ろ姿が写っていました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。


【考察】 
ホンドテンは、倒木の周囲で野ネズミなどの獲物を探しにときどきやって来るようです。


つづく→

クモの網から救出したヒメクロホウジャク(蛾)が飛び去るまで【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年10月中旬・午後13:00頃・晴れ 

郊外で家庭菜園の花壇の手前に建てられた鉄パイプの柵(実際はアルミ管)にクモの円網が張り巡らされ、そこに1頭の蛾(スズメガ科)が捕らえられていました。 
花壇に訪花しようと飛来した蛾が道端の網にかかったようです。
ズグロオニグモYaginumia sia)などコガネグモ科が人工物の足場枠に張った垂直円網だろうと予想したのですが、なぜか網の主は見当たりませんでした。 
もしかすると夜行性のクモで、昼間は隠れているのかもしれません。
飛翔力の強いスズメガ類がクモの網に掛かって逃れられないでいるのは珍しいと思い、写真に撮りました。 
全く動かず粘着性の糸にぶら下がっているだけなので、てっきりこの蛾は死んでいるのかと思いました。 

蛾の腹面しか見えなかったので、同定用に背面の写真をしっかり撮るために、クモの網から手掴みで外してやりました。
途端に蛾は激しく羽ばたいて暴れ始めました。 
暴れ疲れて擬死(死んだふり)していただけと判明。 
そうと分かれば、クモの糸にぶら下がっていた状態も動画で記録すべきでしたね。 
すでに疲労困憊しているのか、すぐに私の掌の上で大人しく静止してくれました。 
翅の鱗粉はほとんど剥げ落ちてしまっていますが(まさか憧れのオオスカシバ?!)、胸背がウグイス色だったので、ヒメクロホウジャクMacroglossum bombylans)だろうと判明しました。 
図鑑で近縁種の前翅長を比べると、ヒメクロホウジャクが15〜18mm、クロスキバホウジャクが25mmなので、今回の小さな蛾はヒメクロホウジャクでしょう。 

救出した蛾は翅を小刻みに震わせて、飛び立つ前の準備運動をしています。 
手乗りヒメクロホウジャクが飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:31〜) 
しばらくすると、胸部飛翔筋による準備運動で体温が充分に上がったらしく、ようやく自発的に飛び去りました。 
私の体温で、手乗り蛾を少し温めてやれたかもしれません。
腹端付近に細い白帯が見えました。 


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2025/01/30

晩冬の雪原に帰巣するホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年2月下旬〜3月中旬 

休耕地で越冬するホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の営巣地を自動撮影カメラで見張っています。 
帰巣シーンをまとめてみました。


シーン1:2/29・午前5:32・気温-1℃(@0:00〜)日の出時刻は午前6:09。 
採餌のために外出していた夜行性のタヌキが、夜明け前に右下手前(落葉した二次林)から独りで帰ってきました。 
トボトボ歩いてきて、そのまま手前の巣穴Mに入りました。 

暖冬のため雪がほとんど溶け去り、営巣地の手前側は地面が露出しています。 (奥には残雪が見えます。) 


シーン2:3/11・午前4:55・気温-7℃(@0:31〜)日の出時刻は午前5:53。 
雪が少し積もり、タヌキの営巣地は一面の銀世界に戻っていました。 
雪面は凍結しているようで、タヌキが歩いても足跡が残りません。 

左から戻って来たタヌキが巣口Lの匂いを嗅ぎ、振り返って身震いしてから手前の巣穴Mに入りました。 


【考察】 
同じ穴のむじなと言われる通り、アナグマとタヌキが同じ巣穴で暮らしていることになります。
(アナグマの入巣Mシーンは、映像公開予定) 
巣穴の内部構造がどうなっているのか分かりませんが、少なくとも巣口Mは共有していることになります。 
お互いに他者(別種)の侵入に対して寛容なのが不思議です。 
自分で地中に深い穴を掘れないタヌキにとって、よほどの住宅難なのでしょう。 



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