2024/01/05

春にタヌキの溜め糞場に群がるクロクサアリ♀

 

2023年4月下旬・午後13:15頃・晴れ 

笹薮が広がる河畔林でオニグルミ大木の下にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞場rpがあります。 
定点観察に来てみると、新鮮な糞がこんもりと追加されていました。 
木漏れ日が落ちる溜め糞上に、頭でっかちで黒光りするアリが多数うろついていました。 
クロクサアリLasius fuji)のワーカー♀ですかね? 
アリをつまんでみて山椒臭を発するかどうか確かめるべきだったのですが、状況が状況だけに素手で触りたくありませんでした(※追記参照)。 
どうやら林床で枯れた笹の落ち葉や茎などを通ってアリの行列ができているようです。 
溜め糞に未消化の種子が含まれているのが見えますが、それを採食しに来たという訳でもなさそうです。(種子食性のアリではない) 
クロクサアリ♀たちは食糞性で集まっているというよりも、ただの通り道なのかもしれません。 
今思えば、オニグルミ大木の根際に営巣しているのかもしれませんが、行列の行き先を突き止めていません。 
アリハンドブック』によると、
(クロクサアリの)巣は樹木の根部にあり、行列を作って樹木に生息するアブラムシに集まり、甘露を定常的な餌にしている。 (p61より引用)

気温の低い春にいわゆる糞虫はまだ活動していないようで、アリの他にはハエが1、2匹来ていただけでした。 
クロバエ科と思われる大型のハエが1匹と、あとは小型のハエがちらっと写っています。 
溜め糞場に集まる昆虫相を通年観察してきて、アリが主役というのは珍しいので、動画で記録してみました。

この溜め糞場rpには早春までトレイルカメラを設置していたのですが、アナグマの観察に集中するために泣く泣く撤去しました。


※【追記】 
溜め糞場の近くで未知の昆虫を見つけても、どうしても採集するのをためらってしまいます。 
吸虫管を自作して虫を採集していた時期もあったのですけど、不潔な獣糞の臭気+αを虫と一緒に吸い込むのは嫌過ぎます。 
最近では口で直接吸わなくても、電動で吸い込んでくれるタイプの吸虫管手動の吸引器具(シュポシュポ)も販売されているようなので、そうした文明の利器を使えば良いのでしょう。 
あとは、溜め糞に集まるハエを採集したくても、捕虫網を下手に振り回すと網が糞で汚れるのが嫌で躊躇してしまいます。 
使い捨てできる安価な網があるとか、何か良い採集テクニックがあるのでしたら、教えて欲しいです。 
捕虫網ではなくトラップ式でハエ類を捕獲するのかな?

2024/01/04

ニホンアナグマの営巣地で夜な夜な探餌徘徊する野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年5月中旬

シーン1:5/15・(@0:00〜) 
 二次林でニホンアナグマ♀(Meles anakuma)の巣穴を自動センサーカメラで見張っていると、夜行性の野ネズミ(ノネズミ)が頻繁に出没します。 
林床をうろちょろして餌を探し回っているようです。 
ときどきピョンと跳んだりします。 


シーン2:5/16・(@0:23〜) 
アナグマが掘った2つの巣穴LRに野ネズミがときどき出入りしているようですが、一緒に同居しているのか、それともただの探索行動(穴があったら入りたい)なのか、分かりません。 


シーン3:5/17・(@2:22〜) 
アクセストレンチを辿って、まっしぐらに入巣Lしていました。 
やはり自分の巣穴なのかなぁ?


シーン4:5/17・(@2:41〜) 
同時に2匹の野ネズミが撮れていました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイしないと気づかないのですが、初めに画面の右端から1匹(赤丸に注目)が右へ走り去りました。 
続けて左からもう1匹が登場し、右へ追いかけて行きます。 
野ネズミにも縄張り争いがあるのでしょうか? 
暗闇で野ネズミがどのぐらい見えているのか分かりませんが、物音を頼りに追跡しているのかもしれません。 

私には野ネズミの種類も見分けられないのに個体識別するのは無理ですけど、これで複数個体の野ネズミがアナグマの営巣地(セット)に生息していることが分かりました。 


シーン5:5/18・(@3:41〜) 
奥に見える林内に入ってうろつくことがあります。 

画面の左手前からハリギリの細い倒木が画面を遮っているのですが、その陰に野ネズミが隠れて何かしていることがあります。 
私の気のせいかもしれませんが、監視カメラの存在に気づいた野ネズミがその死角に隠れながら左右に移動しているようです。 


シーン6:5/19・(@5:30〜) 


シーン7:5/20・(@5:51〜) 
雨が降る夜でも野ネズミは平気で活動しています。 
一方、明るい日中には天敵(捕食者)を恐れて外では全く活動しません。 


カメラの電池が消耗しており、細切れの映像しか撮れていません。 
※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


送電塔天辺の巣で4羽の雛を育てるハシブトガラスの親鳥【10倍速映像】給餌行動など

 



2023年5月中旬・午後14:15〜17:00・晴れ 

三脚を立ててカメラを固定し、ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の巣を微速度撮影してみました。 
10倍速の早回し映像をご覧ください。 

送電塔の天辺にある巣の中には4羽の雛が順調に育っています。 
風が吹くと雛の羽毛がなびいて逆立ちます。 
好奇心旺盛な雛鳥は暇潰しで巣材の小枝を嘴でつついています。 
鉄骨のボルトを締めるナットが気になり、嘴で何度も悪戯している個体がいました。 
ボルトが外れると大惨事なので、外れないように電力会社は対策すべきでしょう。 

親鳥が帰巣したのが計5回。 
そのうち♀♂つがいがほぼ同時に帰巣したのが1回でした。 
横から飛来して直接入巣するのではなく、鉄塔の下段に一旦止まってから、鉄骨を梯子のようにピョンピョン登って入巣することが多いようです。 

親鳥が帰巣すると、雛たちは一斉に嘴を大きく開けて空腹をアピールします。(餌乞い) 
嘴を開いたときに口内が赤いのがカラスの幼鳥の特徴です。 
成長すると口の中が黒くなります。 
親鳥は喉袋に詰め込んできた餌を口移しで雛に与えます。 
複数の雛に口移しで次々と給餌しますが、 最も空腹そうな(強くアピールする)雛鳥から優先的に給餌しているようです。 
親鳥による給餌シーンは、等倍速でリプレイしました。 

食後に雛は排泄します。 
巣の縁から外に上手く排泄できれば良いのですけど、巣内に排泄してしまった場合は、親鳥が摘み上げて外に捨てに行きます。(排糞行動) 
雛の糞はゼラチン質の袋に包まれていて、汚さずとも簡単に持ち運びができるようになっています。 
給餌後の親鳥は雛が便意を催すまで、しばらく巣内で見張っています。 
雛の肛門(総排泄孔)を覗き込んで、白い糞が出て来るやいなや咥えて飛び去りました。 
排糞行動は4回撮れてました。 

巣から飛び去った親鳥は次の餌を探しに出かけますが、ときどき巣の横の高圧線に止まって、周囲を警戒したり鳴いたりすることがあります。 

 次の食事まで待っている間、雛は各々が羽繕いしています。 
巣立ちに備えて羽ばたきの練習をする個体がいたものの、すぐに止めてしまいました。 
後半(夕方)になると、巣内の雛は頭をこっくりこっくり下げて居眠りするようになりました。

※ 水を入れたペットボトルを重りとして三脚に吊るせば、風が吹いても振動が抑えられます。 
私の三脚は安物なので、剛性が足りないのです。(軽いのが取り柄です) 

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