2020/02/25

ホシヒメホウジャク(蛾)終齢幼虫の巣作り【30倍速映像】



ホシヒメホウジャク(蛾)の飼育記録#3


▼前回の記事
ホシヒメホウジャク(蛾)終齢幼虫の巣作り開始

2019年9月下旬・午後13:30〜17:00・室温26℃

ホシヒメホウジャクNeogurelca himachala sangaica )の終齢幼虫が隠れ家を作る様子を微速度撮影してみました。
30倍速の早回し映像をご覧下さい。

幼虫はヘクソカズラの葉を口で咥えると、手前にグイッと引き寄せて絹糸で綴り固定します。
照明との角度によっては、口から吐いた細い絹糸が白く光って見えます。
初めは幼虫の背脈管(心臓)の拍動がよく見えます。

ヘクソカズラの蔓を固定する支柱を用意できなかったので、蔓の先端を壁にビニールテープで貼り付けていました。

そのため、幼虫が巣作りの途中で壁に乗り移ってしまいました。
迷子になった幼虫をピンセットで巣に戻してやります。
しばらくすると、また巣を離れ蔓を伝って下に降りてしまいました。
もしかすると営巣地が気に入らなくて(巣材が不足?)新天地で巣を作り直したいのかもしれません。

余計なお節介かもしれませんが、ホシヒメホウジャク幼虫が迷子になる度に作りかけの巣に連れ戻しました。
何度か手助け(介入)したものの、ようやく全身が隠れる巣が出来てくると落ち着いて作業が進むようになりました。
せっせと造巣を続けるイモムシが健気です。

葉先から絹糸を伸ばすと、左横の壁にも巣を固定しました。
絹糸で綴り合わせた複数の葉を互いに引き寄せ、自分の体の周りに巣(隠れ家)が出来てきました。
巣の中の作業の様子は見えませんが、巣の形状がよりコンパクトに変形していきます。
巣の隙間からときどき長い尾角だけが外にはみ出てピコピコと動くのが可愛らしいですね。
隣り合う葉の隙間が次第に小さくなります。

巣が完成すると中で蛹化しました。
スズメガ科の終齢幼虫は老熟すると地中に潜って蛹になるのだと思いこんでいたので、非常に意外でした。
ホシヒメホウジャクの場合は巣作りというよりも、営繭(繭づくり)の一種と呼ぶべきかもしれません。
使用する絹糸の量は少なくて、繭としてはかなり粗末な作りです。
絹糸を用いた巣作りは、本格的な繭作りが進化する前の前適応なのでしょうか。

逆に、繭を紡ぐ際の絹糸を節約する方向に進化した結果、隠れ家を作るようになったのかな?

これまで私はイモムシの営繭を観察する際には人工的な紙箱や繭棚に閉じ込めていました。
今回初めて自然に近い条件で巣作りからの営繭を観察できて、とても面白く感動しました。


※ 蛍光灯のちらつきを動画編集時にdeflicker処理で補正しました。



↑【おまけの動画】
オリジナル素材の10倍速映像をブログ限定で公開しておきます。


つづく→#4:腹部を回して暴れるホシヒメホウジャク(蛾)の蛹


ホシヒメホウジャク(蛾)終齢幼虫@ヘクソカズラ葉+巣作り
ホシヒメホウジャク(蛾)終齢幼虫@ヘクソカズラ葉+造巣

2020/02/24

秋風に吹かれて飛ぶベニバナボロギクの綿毛【風散布型種子】



2019年9月下旬・午後・くもり

畑の農道沿いに生えたベニバナボロギクの群落で赤い花が咲き終わると、白い綿毛(冠毛)付きの種子(痩果)が作られます。
キク科のベニバナボロギクの種子はタンポポと同じく風散布されるのです。
残念ながら動画に撮り始めたら風が弱まってしまいました。
仕方がないので、茎を揺すって風散布を実演してみます。

綿毛(冠毛)が熟して乾燥すると全体が球状に開き、茎を揺すっただけでどんどん脱け落ち、風に乗って飛散します。
指でほぐすと冠毛がバラバラになり、根元に茶色の種子が見えました。

どうせなら息を勢いよく吹きかけて綿毛を飛ばして見せればよかったですね。


ベニバナボロギク花+冠毛
ベニバナボロギク花+綿毛
ベニバナボロギク花+冠毛・全景

ニラの花蜜を吸うシロオビノメイガ(蛾)の飛び立ち【HD動画&ハイスピード動画】



2019年9月下旬・午後15:40頃

農村部の道端に自生するニラの群落でシロオビノメイガSpoladea recurvalis)が何頭も集まり訪花していました。
この組み合わせは初見です。

口吻を伸ばして吸蜜している間は翅を動かしません。
すぐ隣の花には主に歩いて移動し、離れた花には飛んで移動します。
蛾の視界を走行車の影が横切ると驚いて飛び立ちました。

花から自発的に飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:04〜)

複数個体を撮影。
秋の西日を浴びてなかなか良い絵になりました。


シロオビノメイガ(蛾)@ニラ訪花吸蜜

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