2020/01/13

クサガメ♂の岩登り



2019年8月下旬・午後13:44〜13:54


▼前回の記事
甲羅干しの場所が取れず泳いで探し回る巨大ミシシッピアカミミガメ

蓮池の岩場に集まった亀の中から1頭のクサガメMauremys reevesii)に注目します。
体格は小ぶりながらも全身が黒い(黄色い模様が消失)ので、♂成体です。
日当たりの良い岩を見つけて池から上陸したものの、その岩は尾根のように狭く尖っているので、見るからに居心地が悪そうです。
甲羅干ししながら瞬きしたり、長い首を甲羅に出し入れしたり、喉をヒクヒクさせたりする様子が可愛らしく思えてきます。

やがて居心地の悪い岩の上で向きを変えると、隣の大きな岩の斜面をよじ登り始めました。
その岩は日当り良好で広いものの、傾斜が急過ぎるのが難点です。
平らな一枚岩の急斜面を手足の爪を使ってよじ登り、なんとか頂上に到達しました。
斜めの岩からずり落ちそうになりつつ必死で踏ん張り、横にトラバースしています。
更に隣の平らな岩にようやく移動しました。
今度の岩は水平で面積も広いのですが、日陰になっています。
しかも巨大なクサガメ(おそらく♀成体)が先客として居座っていました。
同じ岩に乗っても特に争いは起こらず、平和にルームシェアするようです。

岩場の中でも亀の甲羅干しに適しているかどうか、それぞれの岩の評価(日照条件、面積、傾斜、先客の有無など)は一長一短で、亀は場所取りに苦労していることがよく分かりました。
今回注目したクサガメ♂が苦労して♀の居る岩まで移動したのは、もしかすると求愛の意図が多少あったのかもしれません。
ただしクサガメの求愛・交尾は水中で行われるそうです。



・(クサガメの)オスの成体は虹彩も含めた全身が黒化(メラニスティック)し[6]、斑紋が消失する[5][4]。メスも成長に伴い体色が暗くなるが、斑紋が消失することはまれ[4]。
・オスは水中でメスの吻端に頭部や前肢を擦りよせるような行動で求愛し、メスが動きを止めオスを受け入れると交尾する[7]。 (wikipediaより引用)


つづく→岩場でクサガメ♀の甲羅に乗る♂



クサガメ♂γ@蓮池:岩場-1
クサガメ♂γ@蓮池:岩場-2
クサガメ♂γ+♀@蓮池:岩場-3

湿地帯のカヤツリグサ群落で連結打空産卵するノシメトンボ♀♂



2019年8月下旬・午前10:50頃(雨の翌日で晴れ)

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スギゴケ?の上で連結打空産卵するノシメトンボ♀♂【HD動画&ハイスピード動画】

雨上がりの河川敷でノシメトンボ♀♂(Sympetrum infuscatum)が産卵していたスギゴケ?群落の奥(川に近い地帯)にはカヤツリグサなどが生い茂った草地が広がっていて、そこでも数組の♀♂ペアが連結打空産卵していました。

あぶれた♂が枯草の茎のてっぺんに止まって休んでいます。
縄張りを占有して♀を待ち伏せしているはずなのに、近くで産卵しているカップルの邪魔をしたり♀を強奪したりすることはありせんでした。

カヤツリグサの種類を調べたかったのですが、履いていた靴を泥だらけにしてまで湿地帯に踏み込む根性が無くて諦めました。
夏のフィールドでは長靴やサンダル履きの方が良い場合もあります。


ノシメトンボ♀♂2@連結打空産卵:カヤツリグサ群落


2020/01/12

ナガコガネグモ♀(蜘蛛)の垂直円網で音叉を鳴らすと…



2019年8月下旬・午後午後15:00頃

造網性のクモと遊ぶ定番の実験です。
コンと一発叩いて鳴らした音叉でナガコガネグモ♀(Argiope bruennichi)の正常円網に触れて振動(440 Hz)を与えると、こしきに占座していたクモがすかさず反応し、駆け寄ってきました。

歩脚で音叉に触れたものの、捕帯でぐるぐる巻きにするラッピングは行いませんでした。
音叉への噛みつきも見られませんでした。
音叉の振動がすぐに減衰してしまうためか、本物の獲物ではないとすぐに見破ったようです。
ナガコガネグモ♀はすごすごと定位置の甑に戻りました。
音叉を網の粘着糸から引き剥がすときに少し反応しました。

もう一度実験を繰り返しても、結果は同じでした。
今度は音叉に見切りをつけて甑に戻るまでの時間が早まりました。
もっとしつこく繰り返せば、クモは学習して(慣れが生じて)音叉に反応しなくなるのかもしれません。
音叉を網から剥がす度に円網がどんどん壊れてしまうので、2回で止めておきました。


ナガコガネグモ♀(蜘蛛)背面@正常円網+甑:占座
ナガコガネグモ♀(蜘蛛)背面@正常円網+甑:占座
ナガコガネグモ♀(蜘蛛)側面@正常円網+甑:占座

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