2019/08/25

救急車のサイレンに対する育雛中のハシブトガラス親鳥♀♂の反応(野鳥)




送電塔#KN7に営巣したハシブトガラスの観察記録#13



▼前回の記事
送電塔の巣箱で育雛する共働きのハシブトガラス親鳥♀♂【10倍速映像】(野鳥)

2019年6月上旬

ピーポーピーポー♪という救急車のサイレンを聞くと、多くの飼い犬は呼応するようにワォーン♪と遠吠えを始めます。
カラスはどう反応するのでしょう?

採餌後に帰巣したハシブトガラスCorvus macrorhynchos)親鳥が雛に給餌する前に、送電塔の下の大通りを救急車がサイレン♪を鳴らしながら何台も通過しました。
もう1羽の親鳥も続けて帰巣しました。
♀♂つがいが鉄骨に並んで、大通りを不安げに見下ろしています。
何か不穏な緊急事態が起きたことがカラスにも理解できるのでしょうか?
それでも雛に口移しで給餌したようです。
親鳥が2羽同時に巣に入って雛鳥に長いこと付き添っているということは、やはり救急車のサイレンを警戒しているのかもしれません。
サイレンの騒音に堪りかねたように1羽の親鳥が巣箱から横の鉄骨に跳び移り、大通りを見下ろしながらカーカー♪鳴き始めました。(@1:47)
そのまま鳴きながら右へ飛び去りました。
続けてもう1羽の親鳥は左へ出巣し、雛鳥だけで留守番することになりました。(@2:05)

18分後。
左から鉄塔に飛来した親鳥が巣箱に入らず、鉄骨から下の大通りを見下ろしています。
遠くから再び走って来る救急車のサイレンが次第に大きく聞こえるようになりました。
やはりこのサイレンの音を聞くと親鳥は不安(心配)になって、雛を守るために帰巣したのでしょう。
交差点に近づいた救急車が他の車輌に注意を促すために「救急車が通ります。ご注意下さい」というアナウンスも流し始めました。
あまりの騒音に堪りかねたように、鉄骨から見ているハシブトガラスもカーカー♪鳴き始めました。

「サイレンがうるさいぞ!」と抗議しているのかもしれません。
鳴き声を発する度に尾羽根が上下にピコピコ動きます。
巣箱の中の雛も身動きしているのが見えました。
ハシブトガラスの親子ともにストレスを感じていることは間違いないでしょう。
救急車が通り過ぎると、ドップラー効果でサイレンの音程が下がるので分かります。
サイレンが小さくなった後も再び親鳥が鉄骨から断続的にカーカー♪鳴きました。
ヒヨドリの群れもどこか近くで鳴き騒いでいるようです。

一難去ってまた一難。
しばらくすると、なんと更にもう一台の救急車がサイレンを大音量で鳴らしながらやって来ました。
今度はピーポーピーポー♪という救急車のサイレンだけでなく、ウーーーーー♪と鳴らすパトカーのサイレンも聞こえます。
全ての緊急車両が鉄塔の横を通り過ぎる前に、親鳥は鳴きながら右へ飛び去ってしまいました。

それにしても、こんな平和なド田舎で救急車が何台も続けて走るのは珍しいことです。
一体何事でしょう?
実は私が撮影地点に向かっている途中で、猛スピードで橋を渡る逃走車と追跡するパトカーを目撃しました。
しばらくすると救急車がサイレンを鳴らしながら続々と通るようになったので、無理なカーチェイスで多重衝突の交通事故でも起きたのかと想像しました。(無関係かもしれず、真相は藪の中。)


つづく→#14:巣箱の雛に餌を与え糞を始末するハシブトガラスの親鳥(野鳥)




ヨシの葉から飛び立つキタテハ【HD動画&ハイスピード動画】



2019年6月上旬

水路沿いの草むらでキタテハPolygonia c-aureum)がヨシの葉に止まって翅を休めていました。
翅をしっかり閉じているので、翅裏の「,」模様がよく見えます。

飛び立つ瞬間を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@0:14〜)
飛んでもすぐに近くの別の葉に止まり直しました。
縄張りがあるのでしょうか?


キタテハ:翅裏@ヨシ葉
キタテハ:顔@ヨシ葉



キンキン声で鳴くホオジロ♂の地鳴き♪を声紋解析してみる(野鳥)



2019年6月上旬・午後17:30

私が川沿いの草むらにブラインドを張って潜んでいたら、夕方にホオジロ♂(Emberiza cioide)が柳の灌木の細い横枝に止まり、奇妙な声で鳴き始めました。
キン、キン♪と2声ずつに区切り(たまに3声)、非常に高音で鳴き続けています。
ホオジロのこんな鳴き方は初めて聴いたので、新鮮な驚きがありました。
鉄琴を叩く音を連想しました。
嘴の動きと鳴き声が一致するので(リップシンクロ)、この個体の鳴き声で間違いありません。
囀りさえずりではなく地鳴きだと思いますが、私に対する警戒声なのでしょうか?
風で揺れる柳の枝でこちらを向いて止まり、鳴き続けています。

周囲でヒヨドリが鳴いても、ホオジロ♂は構わずにマイペースで鳴き続けています。
後半にカッコウの鳴き声が聞こえた途端に、心なしかホオジロ♂が神経質になり警戒する素振りを見せました。
ホオジロにとってカッコウは巣に托卵してくる憎き天敵だからですかね?

最後は柳の幼木から飛び去りました。

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。
画面の右奥を流れる川の水音などノイズも大きくなってしまうのは仕方がありません。




ホオジロ♂の地鳴きを声紋解析してみる

オリジナルの動画ファイルから音声をWAVファイルに抽出してから、ホオジロ♂だけが鳴いている部分を切り出し、スペクトログラムを描いてみました。
9kHz付近に強い声紋が得られました。



ちなみに8分後には同一個体と思われるホオジロ♂が近くの立ち枯れしたニセアカシアの木に止まり、「一筆啓上仕候♪」と聞き馴染みのある鳴き方でさえずっていました。(映像なし)



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