2018/02/11

ハルジオンの花蜜を吸うベニシジミ夏型



2016年11月上旬

堤防に咲いたハルジオンの群落で夏型のベニシジミLycaena phlaeas daimio)が訪花していました。
晩秋の日差しを浴びて、翅を半開きにしたまま吸蜜しています。

風揺れに悩まされた撮影になりました。



オオマルハナバチ♀とクロマルハナバチ♀が同じハスの花で採餌



2017年7月下旬・午前6:16〜6:21

平地の蓮池で早朝に咲いたハス(蓮)オオマルハナバチBombus hypocrita)およびクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が訪花していました。

この近縁2種は標高によって棲み分けているはずなのに、同所的に採餌しているのは珍しいかもしれません。
丁度この辺りが棲み分けの境界なのかな?
蓮池の裏手はちょっとした小山になっているので、植生としては山地に近いようです。(小山の標高差は大したことありません。)
この蓮池でオオマルハナバチとクロマルハナバチの2種それぞれを別個に撮ったことはあるのですが、ワンショットで撮れたのは初めてです。(同所性の証拠映像)

ある一つのハスの花に注目していると、先客の
クロマルハナバチ♀の後脚の花粉籠は空荷でした。
一方、すぐ後から登場したオオマルハナバチ♀は後脚の花粉籠に橙色の花粉団子を付けていました。
同じ蜜源植物で競合するはずなのに、同一の花に乱入しても特に激しい喧嘩や縄張り争いは勃発しませんでした。
おまけにセイヨウミツバチ♀も同時に訪花していました。
ハナバチにとって蓮の花は巨大で数も多いので餌資源が豊富にあり、わざわざライバルと争う必要がないのでしょう。(金持ち喧嘩せず)


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。




▼関連記事
クロマルハナバチ♀とオオマルハナバチ♀が同じラムズイヤーの花壇で採餌


2018/02/10

山椒の枝で見つけたウスタビガ♂(蛾)の空繭の謎



2016年5月中旬

里山の細い山道を歩いていると、サンショウ(山椒)の枝先にウスタビガRhodinia fugax fugax)の空繭がぶら下がっているのを見つけました。
空繭の表面に卵が付着していないので、昨秋にこの繭から羽化した成虫は♂だと考えられます。
紡いだ繭を枝にしっかり固定するために絹糸でぐるぐる巻きにしてありますから、雑木林の上にある別の枝から落ちた空繭がひっかかっているのではありません。

空繭が潰れているのは、おそらく冬の深い根雪に埋もれていたからでしょう。

ウスタビガの幼虫は広食性ですがサンショウの葉を食べるはずがないので、意外な組み合わせだと思って記録しました。

つまり、こんな所に繭が作られているのは、ちょっと場違いなのです。(違和感を覚えます)
いつもお世話になっている「みんなで作る日本産蛾類図鑑」サイトによると、ウスタビガ幼虫は広食性らしく、食餌植物が次のように列挙されています。

ブナ科コナラ属:クヌギ、コナラ、カシワ、バラ科:サクラ、カエデ科:ケヤキ、カエデ科、カバノキ科、ブナ科、ニレ科、バラ科
発見現場の周囲は鬱蒼とした雑木林ですから、幼虫は無理して口に合わない山椒の葉を食べなくても食餌植物には事欠かないはずです。
ウスタビガの終齢幼虫が営繭する直前に本来の食餌植物から降りて(落ちて?)徘徊し、たまたまこのサンショウの灌木を選んだだけ、と考えるのが自然でしょう。
もしかすると、寄生者などの天敵を避けるために、食餌植物から離れたところへ積極的に移動してから繭を紡ぐ習性が進化しつつあるのかな?

地上からの高さは92cm。
(ただし、営繭後にサンショウの灌木が少し育った可能性もあります。)
もしもウスタビガの幼虫がアゲハチョウの仲間みたいにミカン科の山椒の葉を本当に食べて育つとしたら、それはそれで食草転換の一例として大発見になるでしょう。



▼関連記事 (真冬の雑木林の枝先で発見) 
ウスタビガの空繭(蛾)



【追記】
有沢重雄、藤丸篤夫『生きもののサイン (せんせい! これなあに?)』という本に、ウスタビガの空繭が竹の枝先にぶら下がっている写真が掲載されていました。(p7)
竹もウスタビガ幼虫の食草リストには含まれていません。
このように食草を離れて営繭する例は別に珍しくないのかもしれません。





ランダムに記事を読む