2017/01/02

ミズナラの葉を蚕食するイラガ(蛾)幼虫【60倍速映像】



▼前回の記事
イラガ(蛾)幼虫同士の喧嘩


イラガ(蛾)の飼育記録#2016-3


2016年9月中旬

イラガMonema flavescens)の幼虫に食樹植物としてカキノキとミズナラの枝を水差しで与えてみました。
ミズナラの葉を好む個体に注目して、食餌のシーンを撮影してみました。
葉表(照明の当たらない裏側)に止まって見事な食べっぷりを披露しています。
葉縁に顔だけ出して蚕食するのですが、胸部のフードに頭部が覆われて肝心の口器の動きが全く見えません。
口元を隠すお上品な食事マナーです。
イラガ科幼虫に特有なこのフードの正式名称をご存じの方は教えて下さい。
名著『わたしの研究:イラガのマユの謎』p29に「イラガの幼虫の口」と題した頭部の細密画が掲載されています。
「頭部は、胸部にもぐりこんでます」と記されているものの、特に名称ば付いていませんでした。

後半は微速度撮影に切り替えたので、60倍速映像をご覧下さい。(@2:50〜)

※ リアルタイムの動きを記録した前半部のみ動画編集時に自動色調補正を施しています。





【おまけの映像】
同じ素材で早回し速度を落とした10倍速映像をブログ限定で公開しておきます。

つづく→#4:脚が退化したイラガ(蛾)幼虫の歩行のひみつ





スズメ(野鳥)がケヤキ並木に集団就塒♪



2016年9月下旬・午後17:33〜17:37

住宅地のケヤキ並木にスズメPasser montanus)の群れが塒入りしていました。
ここは最近新たに見つけた集団塒なのですが、夕方に何度も通ってようやく動画で記録することができました。

駐車場に隣接するケヤキ並木の中で、建物に一番近い所に立ってる木を中心に就塒しています。
ここのスズメは就塒前集合はしていないようです。
少なくとも私には見つけられませんでした。

集団でチュンチュン鳴く声が喧しく響いています♪。
続々と飛来する小群が梢に降り立つ瞬間が何度も撮れました。
まるで木の葉落としのように直接枝葉へ飛び込みます。
ときどき枝から枝へ飛び回って塒内を移動しています。

後半は少しケヤキの木に近づいてから続きを撮りました。
するとスズメが警戒し、次々と飛び上がって上の枝葉に移動しました。
しかし横の車道を車が通ってもスズメは気にしません。

この日の公式な日の入り時刻は午後17:37。
スズメの塒入りがまさに日没時刻と一致していたことに、ちょっとした感動を覚えます。

※ かなり薄暗い映像だったので、動画編集時にHDR-ishのエフェクトを施しています。





2016/12/31

網に給餌したアキアカネ♀を捕食するアカオニグモ♀亜成体(蜘蛛)



2016年9月上旬
▼前回の記事
交尾前ガード中のアカオニグモ♀♂(蜘蛛)の網にムラサキツメクサの花を給餌すると…?


イヌタデを糸で綴った隠れ家に潜んでいるアカオニグモ♀♂(Araneus pinguis)が本当に食欲が無いのか確かめるために、近くで採集したアキアカネ♀(Sympetrum frequens)を給餌してみました。
なぜか昆虫の数がひどく少なくなっていて、捕虫網を持参しなかった私は生け捕りにするのに苦労しました。
(コオロギの幼虫、キタキチョウには逃げられました。)
もしかすると近くの水田で農薬散布された影響かもしれない、と疑ってしまいます。(未確認)




暴れすぎて網を壊したり逃げたりしないようにアキアカネ♀の前翅を半分毟り取っておきます。
垂直円網に付けた瞬間、トンボは擬死状態になり(死んだふり)、隠れ家のクモも無反応でした。
しばらくして網で獲物が暴れた途端に隠れ家からアカオニグモ♀が駆けつけました。
その一方で、近くに居たアカオニグモ♂は無反応でした。
交接前ガード中の♂はもう食欲が無いのでしょう。
先ほど試しに給餌してみたムラサキツメクサの花が未だ網に付着したままぶら下がっています。

アカオニグモ♀は必死に暴れる獲物に噛み付き、毒液を注入しました。
アカオニグモ♀の腹背は薄い黄色で(未だ赤くない)腹面の外雌器に垂体が残っているので、性的に未成熟な亜成体だろうと判明。
獲物が麻痺すると、未だ少し暴れるのも構わずにアカオニグモ♀は捕帯でラッピングを開始。
次に、網に付着したトンボの翅の周囲の糸を噛み切っています。
網のこしきを経由して、隠れ家に素早く獲物を持ち帰りました。
糸で吊り下げた獲物を引き上げ、捕食開始。
♀に食欲があるということは、脱皮するにはまだ早いということになります。

その間、アカオニグモ♂に全く動きはありませんでした。
♀が捕食中なら性的共食いのリスクを避けつつ♂は忍び寄って♀と交接するかな?と期待したのですが、♂は無反応でした。
♀が脱皮して成体になるまで♂は傍らでひたすら絶食・待機するのでしょう。

クモにずっと無視されていたムラサキツメクサの花はいつの間にか網から落ちていました。
自然に落ちたのか、それともクモが網から外して捨てたのか、見落としてしまいました。

※ 後半だけ(@4.13〜)動画編集時に自動色調補正を施しています。

ここまでが、アカオニグモ♀♂を見つけた初日の観察記録でした。

つづく



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