2014年9月下旬
つづら折りの山道の下草(木苺の一種)に乗った茶色のカメムシが蛾の幼虫を捕食しています。
側角が鋭く、クチブトカメムシ(Picromerus lewisi)だと思うのですが、どうでしょう?※
口吻を突き刺して吸汁している獲物は毛虫ではなく芋虫タイプでした。
日差しが強く、どうしても白飛び気味になってしまいます。
※ Web東奥のあおもり昆虫記サイトによると、
似た種にオオクチブトカメムシがあるが(中略)クチブトカメムシはオオクチブトと違って、森林地帯で見られる。クチブトカメムシは肉食・捕食性で、ハムシなどの幼虫や小さな昆虫を捕らえて食べる。
撮影後に採集しました。
飼育して狩りの瞬間を動画に撮りたかったのですが、忙しくて手が回らず(生き餌を調達できず)、結局逃してやりました。
以下は標本(生体)写真。
2014年9月下旬
斜面に営巣したチャイロスズメバチの定点観察#3
▼前回の記事
斜面の巣に出入りするチャイロスズメバチ♀の羽ばたき【ハイスピード動画】
山中で見つけたチャイロスズメバチ(Vespa dybowskii)営巣地の環境は、急な南西斜面のスギ植林地です。
スギは未だ若く、植林後の手入れがされていないためミズナラやコナラなどの灌木が密生して藪になっています。
林道から2〜3m下の崖の途中に穴を掘って営巣しているようです。
斜面の上から見下ろしても全く巣は見えません。
前回は斜面の横から近づこうとするも、警戒した蜂にまとわりつかれ危なくて撮影どころではありませんでした。
高価な防護服を買わなくても安全に巣を撮影する方法は無いものか、一週間かけて作戦をあれこれ考えました。
なるべく手持ちの機材を組み合わせて工夫します。
- ビデオカメラに一脚を取り付けて林道から巣口に差し出せば映像が撮れるか?
- 釣り竿でカメラを吊り下げれば映像が撮れるか?(操作が難しそう)
- カメラ搭載のラジコンヘリ(ドローン)を巣まで飛ばす?(茂みが邪魔で上手く飛ばせないかも)
- 蜂が飛ばない夜なら安全に近づけるか?(赤外線の暗視カメラで撮影)
とりあえず作戦其壱を決行してみます。
日本のスズメバチ類は巣の近くで動く黒い物体に対して攻撃性を示すので、刺激しないようにまず黒い一脚に白いビニール袋を巻いて覆いました。
次にビデオカメラの黒い部分(液晶画面裏側とハンドグリップ)や一脚のクイックシューにも白いビニールテープを貼ってマスキングしました。
これはかなり奏功しました。
どうせならカメラ全体を白いビニール袋で包み、レンズ部分だけ丸い窓を開ければ準備が簡単だったかもしれません。
(私の場合はあくまでも撮影が目的なのですが、巣の様子を「見る」だけなら一脚に鏡を取り付けても良かったかもしれません。)
蜂が素早く一脚を伝って来て手を刺される危険性が怖いので、手袋は白いゴム手袋と軍手を二重に装着しました。
手首の隙間から肌が露出しないように注意します。(ビニールテープを手首に巻いて密着すべき)
安全第一で、いざとなれば咄嗟に機材を投げ捨てる覚悟を決めました。
他の服装についてもスズメバチの本を参考に対策しました。
フルフェイスのヘルメットは大袈裟かもしれませんが、必ず頭髪を覆い隠さないといけません。
暑くても我慢、我慢。
一脚を目一杯伸ばし、林道からビデオカメラを巣まで慎重に下ろして巣のありそうな辺りの崖を山勘で撮ってみます。
カメラをゆっくり引き上げ、撮れた映像を直後に確認。
撮影アングルは試行錯誤するしかありません。
映像の天地が逆転しているので難しいです…。
GoProに代表される今時のアクションカメラがあれば、携帯電話と連動したライブプレビュー機能も搭載されているみたいなので、撮影中の画角を確認するのも容易でしょう。
無い物ねだりしても仕方がないので、手持ちの機材で頑張ります。
かなり緊張したものの、案ずるより産むが易しでなんとか無事に上手く行きました。
やはり撮影を繰り返すとワーカー♀が益々攻撃的になりました。
引き上げるビデオカメラにしがみつく個体もいました。
機材に噛み付くほどではないものの、油断できません。
蜂を手荒に振り落としたりせずに、巣から離れ偵察機材を放っておけば蜂は自然に離れてくれます。
さて苦心して偵察した結果、意外に小さな巣と判明。
崖の木の根の下に営巣しているようです。
地中ではなく外被が剥き出しになっているのが不思議でした。
残念ながら巣はかなり壊されているようで、巣盤も剥き出しになっています。
この撮影法ではもどかしいので意を決して巣に近づき、直接撮影してみることにしました。
つづく→シリーズ#4:破壊された巣に残るチャイロスズメバチ♀
2014年10月上旬
玄関のポーチを登っているカブトムシ♂(Trypoxylus dichotomus)を見つけて採集しました。
体格も角の発達もかなり立派な個体です。
昼間なのに活発に動き回っていました。
100円ショップで買ってきた昆虫ゼリー(3個入りで¥108)を給餌したら、ようやく落ち着いてくれました。
ブラシ状の口吻を伸縮させて吸汁するシーンを動画に撮りました。
昆虫ゼリーを固定するプラスチックケースの側面が滑り易いようで、登るのに苦労しています。
背伸びしてなんとか口吻がゼリーの縁に届きました。
後に、滑り止めの輪ゴムをケース側面に巻いてやることにしました。
昆虫ゼリーの包装に印刷された成分表によると、
天然樹液入り昆虫用栄養ゼリー日本製。
原材料 ゼリー:果糖、ぶどう糖、果汁、ステビア、ゲル化剤(増粘多糖類)、pH調整剤、乳酸Ca、酸味料