2014年9月下旬
川沿いの遊歩道でミミズの死骸にオオヒラタシデムシ(Necrophila japonica)が群がっていました。
橋の下に近く、小径の両側はニセアカシアなどの河畔林でした。
死骸を覆い隠していたクズの葉を撮影のために取り除いたら、一部のオオヒラタシデムシが慌てて逃げ出しました。
ミミズの死骸は喰い千切られ、内臓が露出しています。
食事中の♀に♂が背後からマウントしています。
交尾器の結合状態はよく見えません。(交尾後ガードの可能性もあります。)
♀は頻りに脚を動かして、マウントする♂を払い除けるような仕草をしました。
交尾中のペアを接写してみると、♀の左触角を♂が噛んで引っ張りながらマウントしていることが分かりました。
この性癖は本に書いてある通りでした。
▼関連記事
クロボシヒラタシデムシ♂は交尾中♀の触角を噛む性癖がある
『日本動物大百科10昆虫Ⅲ』p103によると、
シデムシ亜科の多くは、交尾をするとき、♂が♀の背中に乗り、大顎で♀の触角の左右一方を掴む。そして♂は交尾がすんだ後も触角を捕らえたまま♀の背中に乗っていることがあり、時に産卵がすむまで放さず、ほかの♂を寄せつけないこともある。
色気より食い気の♀は構わずに食事を続けます。
別個体が死んだミミズのご馳走をめがけて交尾中の♀の腹の下に潜り込んできたせいで、♀が転倒してしまいました。
先程逃げた個体が次第に戻ってきた結果、計4匹が死骸に密集しています。
あぶれた独り身の2匹は交尾干渉するでもなく、食餌に夢中です。
形態による性別判定法を知りませんが、おそらく♀なのでしょう。
『山渓フィールドブックス13甲虫』p37によると、本種の生活史は
オオヒラタシデムシも年1世代で、越冬した成虫が4月から7月にかけて現れ、土中に1個ずつ卵を産みつける。孵化した幼虫は腐敗動物質を食べて8月末頃までに成虫になる。
2014年8月下旬
▼前回の記事
成長したキイロスズメバチの移動巣
キイロスズメバチ移動巣の定点観察#11
キイロスズメバチ(Vespa simillima xanthoptera)の移動巣(第二次巣)が引き続き拡張されていく様子を真下から見上げるアングルで微速度撮影してみました。
50倍速の早回し映像をご覧下さい。
巣口を取り巻くように新しい外被を下に伸ばしています。
巣の上部でも外被を増築しているようですがが、下からは見えません。
巣の入り口で門衛と栄養交換する個体や、外被ポケットに潜り込んでいる(サボっている?)個体もいます。
この間、肉団子を搬入する個体は依然として確認できませんでした。(未だ幼虫が孵化していないのかな?)
また、この日も巣口での扇風行動が見られませんでした。
【おまけの映像】
微速度撮影の動画を見て心地良く感じる早回し速度の好みは皆さんそれぞれ違うと思います。
折角なので、少し遅い30倍速映像↑もブログ限定で公開しておきます。
こちら↑はオリジナルの10倍速映像です。
つづく→シリーズ#12:巣作り【リアルタイム】
2014年8月下旬
郊外の道端の草むらに咲いたアキノノゲシの群落で見慣れないハナバチが訪花していました。
映像冒頭で飛来した個体と小競り合いのような行動が見られました。
♂が求愛しに来たのか、喧嘩なのか、不明です。
1/4倍速のスローモーションでリプレイしても、ハイスピード動画でないとよく分かりませんね。
花に残った蜂は少し身繕いしてから飛び去りました。
映像の後半は結構離れた場所で見つけた、おそらく同種の蜂です。
2匹がアキノノゲシの同じ花で仲良く吸蜜していました。
後脚の花粉籠は空荷でした。
もしかすると♂なのかもしれません。
素人目にはコハナバチ科よりも大きいのでヒメハナバチ科の一種だと思うのですが、翅脈を調べたくても採集に失敗してしまい残念。