2012/01/14
無翅型タマバチの一種が壁を徘徊
2011年12月中旬・気温10℃
山中で建物の白壁をアリのような虫が数匹(3匹以上)徘徊していました。
日当たりの良い西面でした。
よく見るとアリではなく無翅型のタマバチの一種でした。
よく冬の雪面でよく見かけるタマバチと同種かもしれません。
採寸しながら撮り始めたらすぐに脚を滑らせてしまいました。
壁から滑落しても、しばらくするとまた登ってくるようです。
やがて、壁面で上から降りて来る個体と下から登って来る個体の二匹が出会いました。
触角で互いに触れた後、上の個体が右前脚で蹴り落としたように見えました。
未採集ですが、もし名前が分かる方がいらっしゃいましたら教えて下さい。
いつか♀の産卵シーンを観察してみたいものです。
【追記】
ハンマーさんのブログで「コナラの冬芽に産卵するナラメリンゴタマバチ」の見事なお写真を拝見すると、なんとなく似ている気がします。
2012/01/13
ニホンカモシカの採食メニュー@晩秋
2011年12月上旬
野生ニホンカモシカを追う:中編「道草を食うカモシカ」
カモシカは雑木林の斜面を少しずつ下りながら若い針葉樹の葉を口にしました。
ハイイヌガヤかな?と思うのですが、写真を撮り損ねました。(※追記2参照)
撮影中は立ち止まり、距離が開くとそっと接近する作戦で追跡しました。
この時期の山は落葉して多少は見通しの良い状態ですから初めての私でも追跡できたものの、葉の生い茂った夏などはすぐ見失ってしまうだろうと想像できます。
私が動くとカモシカは物音を敏感に察知して坂の途中で立ち止まり、こちらの様子を見ています。
やがて斜面をゆっくり歩いて移動して行きます。
手前の潅木が邪魔でうまく撮れてませんが、常緑低木のエゾユズリハの葉も採食しました。(追記3参照)
もしかしたらエゾユズリハの実も食べていたのかもしれませんが、その点は不明です。
(食痕をじっくり見て歩く余裕がありませんでした。)
幼木の細い枝に顔を擦り付けるような行動も示しました。
ニホンカモシカに特有の眼下腺マーキングかもしれません。
残念ながら、やはり手前の潅木が邪魔ではっきり見えませんでした。
あるいは角研ぎ行動だったのかもしれません。
ゆっくりと坂を下りる途中で再び常緑の葉を口にしました。
厳しい冬を迎える前にたくさん食べて脂肪を蓄えないといけません。
顔に集まる虫を払うためか、ときどき耳を動かしています。
斜面で追いすがる私の方がカモシカの下になると、今度は一転して坂を登り始めました。
他にも斜面にへばりつくように生えた羊歯の葉も採食したのを目撃しています(映像なし)。
シシガシラもしくはオサシダと思うのですがどうでしょう?
(後編:反芻行動につづく。)
【追記】
ピッキオ編『森のいろいろ事情がありまして』によると、カモシカには上の門歯が無いために毟り取ったような食べ方になるそうです。
※【追記2】
西口親雄『森はナゾがいっぱい』によると、
イヌガヤは、葉が柔らかくて、毒がない。いまでもカモシカの冬の主食になっている。おそらく中生代のイヌガヤ属も、草食恐竜の餌になっていたと思う。イヌガヤの葉は、毒もないし、硬い針もない。恐竜にたいして無防衛のようにみえるが、じつは、イヌガヤの枝葉は、食べられても、食べられても、地ぎわから再生してくる。この再生力が、草食動物にたいする対処法なのである。しかしそのため、イヌガヤは高木(森の支配者)にはなれない。 (p51より引用)
【追記3】
浅川満彦『野生動物の法獣医学: もの言わぬ死体の叫び』という本を読んでいたら、放牧牛が摂食し中毒になる植物の例としてワラビとエゾユズリハが挙げられていました。
(エゾユズリハは)葉や果実に様々なアルカロイドを含み、牛が摂取すると、食欲不振や第一胃の運動停止などを起こし、ひどければ死に至る。(p72より引用)
カモシカもウシ科ですから、エゾユズリハの葉を食べて無事とは思えません。
少量なら食べても大丈夫なのでしょうか?
2012/01/12
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