2011/09/14

舗装路で産卵を試みるヒガシキリギリス♀



2011年8月下旬

舗装された農道の坂を登っていたら、路上に褐色型のキリギリスが居ました。
当地に分布するのはヒガシキリギリスGampsocleis mikadoです。


産卵管をアスファルトに突き立てようと産卵姿勢になっていました。
しかし土の地面よりも固い舗装路なので、しっかり刺さっておらず、産卵管は地中に貫通していないようです。
舗装が劣化した山道でアスファルトの小さな穴に産卵中のフキバッタ♀を昔見たことがありますけど、今回の舗装路には土の部分(穴)は見えていません。


道の両脇は草むらや畑が広がっていてキリギリスの産卵場所には事欠かないはずなのに、どうしてわざわざ固くて熱い舗装路に出てきて産卵しようとするのか不思議でなりません。
単純に、これが落ち着く静止姿勢なのだろうか?(6本脚+産卵管で体を支える)


同様の産卵姿勢で静止している個体を何匹も連続して目撃したのですが、産卵姿勢に至る様子(産卵管を突き立てようとする初めの行動)は観察できませんでした。


映像に登場するのは同一個体ではなく、同じ道で続けて撮った複数個体の映像をまとめたものです。


一匹は産卵姿勢を途中で解除して草むらに歩き去りました。


撮りながらじっと見ていても触角や口髭がたまに動くだけで進展がありません。
特に踏ん張ったり力を入れて産卵管を深く刺そうとしている風でもなく、呆然としている様子。
怠け者の(動かない)キリギリスの横を働きアリがせわしなく動き回っている様はまるで『イソップ童話』です。
痺れを切らしてヒガシキリギリス♀をそっと手掴みしてみたら、一匹あっさり捕獲することができました。
油断したら頑丈な大顎で指を噛まれ、結構痛い思いをしました。







2011/09/13

交尾中のギンモンシマメイガ(蛾)が連結逃走



2011年9月上旬

堤防を歩いていると、足元で赤く美しい蛾が地面を這うように暴れていました。
近づいてよく見ると、交尾中のギンモンシマメイガPyralis regalisと判明。
尾端の交尾器で連結したまま、慌てて逃げようとしています。
どうやら連結したまま飛べるほど強い飛翔力は無いようです。
野暮は承知の上で、恥ずかしがって逃げ回るカップルをしつこくパパラッチしてみました。


本種の幼虫はスズメバチ類の巣に寄生して育ちます。
私が過去に観察した関連記事はこちら→「コガタスズメバチの巣に寄生する蛾の幼虫」、「コガタスズメバチの巣から羽化したギンモンシマメイガ
獰猛な肉食性であるスズメバチの目を盗んで巣に接近、産卵するギンモンシマメイガ♀の行動をいつか観察してみたいものです。









2011/09/12

繭作り中に排泄するクワコ幼虫(脱糞と排尿)



2011年8月下旬

クワコ(蛾)の飼育記録#3

終齢幼虫から飼育してきた二頭のクワコBombyx mandarina)がようやく繭を紡ぎました。
関連記事はこちら→「繭を紡ぐクワコ終齢幼虫(蛾)の微速度撮影

口元から金色の絹糸を吐く様子を接写しました。
まず足場糸を張り、葉を左右から引き寄せシェルターを作る初めの工程です。

育ち盛りの終齢幼虫は恐ろしい勢いで桑の葉を食べては糞をモリモリ出していたのですが(快食快便!)、撮りたくても毎回脱糞の予兆が掴めませんでした。
ようやく脱糞シーンを動画に撮ることが出来ました(1:19)。
繭を紡ぐ様子を観察していたら偶然撮れたので、ぎりぎりのタイミングでした。

繭が出来上がってきてからも、クワコ幼虫は作業の合間に脱糞していました。

尾端をシェルターの外に出してから排泄するという行儀良さに感心しました。
繭の中を糞で汚したりしません。


一番驚いたのは、作業の終盤で作りかけの繭から下半身を思いっ切り出して大量の液体をジャーッと排泄したことです。
上の映像(4:07〜)に映っているのは排尿がほぼ終わり、尾端から雫が滴り落ちている状態です(カメラが間に合わず…)。
下に敷いておいた新聞紙がびっしょり濡れるほどの量でした。
初めて見たので病気なのかと心配しましたが、すっきりすると何事もなかったように繭へ戻り、作業を再開しました。
この後で繭の底を絹糸で綴って塞ぎます。

営繭終盤の大量排尿は二頭とも見られたので一般的な行動と思われます。
体内に蓄えておいた余分な水分をこの段階で排泄しておくのでしょう。(蛹化・変態への準備)(ガット・パージ;gut purge)
口から吐く絹糸の成分が後半になると変わるのかもしれません。


蛾のネタついでに、最近聞いた秀逸な回文で閉めます。
「ガガの頭にまたあの蛾が」

(つづく→シリーズ#4「クワコ♀の羽化と性フェロモン放出」)


【追記】
桑原保正『性フェロモン:オスを誘惑する物質の秘密』を読むと、この排泄行動も記述されていました。
 カイコは最後のトイレを済ませてから一気に繭を作って中に籠もるが、クワゴは最後には繭の中に籠もるものの、繭を作りながら、途中までトイレに抜け出すための穴を用意する。そして最後のトイレを済ませると、安心して繭を完成する。 (p44より引用)

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