2023年8月中旬〜下旬
シーン0:8/14・午後14:48(@0:00〜)
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。
画面の左下隅に朽ち果てた切株があり、そのすぐ奥に古い用水路が掘られた名残の溝が斜めに走っています。
この溝は獣道の一部になっています。
スギの落ち葉が枯れた色と同じで紛らわしいのですが、その溝に捨てられた古い手押し車のフレームが錆びたまま放置されています。
この手押し車フレームを目印として、ニホンアナグマ(Meles anakuma)専用の溜め糞場stmpがあります。
タヌキの溜め糞とは違ってアナグマの糞は特定の形状を保っておらず、黒い軟便(下痢便)が溜まっています。
ここを長期間じっくり定点観察したかったのですが、限られた台数のトレイルカメラをやりくりして複数地点のプロジェクトが同時並行で進行しているために、間隔が開いてしまいました。
肝心の溜め糞場stmpがもっと画角の中央に来るようにトレイルカメラの設置アングルを決めたはずなのに、ずれてしまいました。
シーン1:8/15・午前2:16(@0:02〜)
深夜未明に単独で来たアナグマが溜め糞場stmpの匂いを嗅ぎ回ってから、左向きで排便しました。
スギ林床にひっくり返ったまま放置されている古い一輪車(手押し車)の錆びたフレームの辺りで地面の
黒い軟便をボトボトと排泄すると、そのまま溝状の獣道を左へ立ち去りました。
シーン2:8/15・午前9:45(@0:29〜)
トレイルカメラがなぜ起動したのか理由は不明ですが、アナグマが脱糞してから7時間半後の午前中に溜め糞場stmpの様子が記録されていました。
ハエやコウカアブの仲間が何匹も飛び回ってます。
シーン3:8/16・午後18:23(@0:51〜)日の入り時刻は午後18:35。
翌日、日没直前の暗いスギ林にニホンアナグマ3頭の家族群がやって来ました。
まず先行する2頭がスギ林床を右上へ歩いて行きます。
後続の個体が切株の下を回り込んでから溜め糞場stmpへ来ました。
匂いを嗅いでから手押し車のフレームのすぐ上で排便しました。
顔が黒いのは、穴掘りしたばかりで土で汚れているのでしょう。
ミミズ採食のためではなく巣穴を掘っていたとしたら、ヘルパー♂かもしれません。
仲間を追ってノソノソと歩き始めま、最後は小走りになりました。
登場した3頭が幼獣なのか、成獣が混じっているのか、残念ながら私には見分けられません。
シーン4:8/18・午前4:01(@1:40〜)
2日後の未明、右から来たアナグマaが溜め糞stmpの匂いを嗅いでいました。
方向転換して溝の土手の山側を向くと、溝の中の溜め糞場stmpに脱糞しました。
排便する地点は厳密には決まっておらず、各自が手押し車フレームの周囲に適当に排便するようです。
用を足すと、右へノシノシと立ち去りました。
なんとなく幼獣だと思うのですが、単独で写った場合には素人目には成獣♀と見分けがつきません。
シーン5:8/18・午前4:14(@2:09〜)
約15分後に別個体bが登場しました。
これも幼獣のような気がしています。
一連の排便行動は、さっき来た個体aとほぼ同じでした。
シーン6:8/18・午後19:00(@2:36〜)
同じ日の晩には雨が降っていました。
左から溜め糞場stmpにやって来たアナグマが、黒い軟便をニョロニョロと排泄。
雨天で素早く用を足すと、一旦奥に向かってから左折しました。
シーン7:8/24・午前4:09(@2:53〜)
6日後の未明に、奥からやって来たアナグマが溜め糞場stmpでくるりと向きを変えました。
少量の大便を排泄してから右へ立ち去りました。
【考察】
複数個体のアナグマが同時に並んで排便することは、今のところありません。
便意を催したら各自が溜め糞場stmpにやって来て、用を足すようです。
ここでホンドタヌキが対抗して排便することはありません。
タヌキ専用の溜め糞場wbcは、ここから約5m離れた地点にあるのです。
逆に、タヌキの溜め糞場wbcにアナグマが対抗して排便することもありません。
アナグマとタヌキはおおまかな溜め糞エリアを共有しているものの、自分たち専用のトイレを相互不可侵でしっかり使い分けています。
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