2020年11月中旬・午後12:05頃・晴れ
郊外の青空をカラスの大群が旋回していました。
少なくとも57羽のカラスが集まって飛んでいます。
私のフィールドではこれぐらいでも大きな群れです。
群飛の中で隣り合う個体が軽く追いかけっこしている様子も見られました。
高高度の群飛には参加せず、単独で低空を横切る個体もいました。
今回は群れ全体の飛び方を動画に記録することを優先したので、カラスの種類をしっかり見分けられるほどズームインしませんでした。
鳴き声に耳を傾けると、カーカー♪澄んだ声とガーガー♪濁った声の両方が聞こえますから、ハシブトガラス(Corvus macrorhynchos)とハシビロガモ(Anas clypeata)の混群なのかもしれません。
カラスの鳴き声を聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。
カラスが夕方の塒入り前に行う群飛は珍しくありませんが、真昼間にカラスの群飛を見るのは初めてかもしれません。
ほぼ正午ですから、就塒前集合を目指す群飛にしては時刻が早すぎますし、集団塒から一斉に飛び立ったにしては時刻が遅すぎます。
どこか目的地を目指して飛んでいるのではなく、広大な刈田の上空を行ったり来たり飛び回っているようです。
大群で旋回しているのは一種の誇示行動(威嚇)なのかな?と思うものの、一体何に対してアピールしているのか目的が不明です。
天敵の猛禽類に対してカラスはよくモビング(擬攻撃)を仕掛けますが、今回は飛んでいる猛禽を見かけませんでした。
一番ありえそうなのは、刈田で採餌していたカラスの大群が何かに驚いて一斉に飛び立ち、群飛になったのかもしれません。
私の素人目には、有名なムクドリの群飛と同じく、カラスの群飛も特定のリーダーによって統率されているようには見えません。
子供の頃に読んだ『シートン動物記』で「カラスの王 銀の星」という章が印象的でした。
頭部に「銀色の星」という分かりやすい目印を生まれつき持ったリーダー格のカラスを個体識別した上で何年も観察した記録らしいです。
しかしシートンの本は「お話」として抜群に面白くても擬人化やハッタリが多くて、動物行動学的にどこまで信頼できるのか分かりません。
年長カラスの隊長が号令をかけながら若鳥の群れを率いて教練のために飛び回るという話は、今の私が読み直すと眉唾に思えてしまいます。
カラスの群飛をヒトが地上から見上げても、ある1羽の頭にある目印の「銀の星」が確認できるとは思えません。
群飛の中でどの個体が鳴いているのか、達人になれば分かるようになるのかな?(私は懐疑的です。)
今のところ、私にはカラスの群れにリーダー(隊長)が居るとは思えないのです。
シートンがカナダで観察したカラスと日本のカラスはおそらく別種ですから、その点でもシートンの記述を鵜呑みにはできません。
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