2020年12月中旬・午後16:39〜16:55・くもり(日の入り時刻は16:21)
前回の記事:▶ 日没後に1羽ずつ集団塒に帰るダイサギの俯瞰映像(冬の野鳥)雪が降った日の夕方に、ダイサギ(Ardea alba)の冬塒を見にまたやって来ました。
冠雪したヒマラヤスギ樹上で白鷺が休む姿が撮れたらフォトジェニックだろうと思ったからです。
もう一つ興味があるのは、塒入り行動に対する冠雪の影響です。
例えば餌場の水辺に白鷺の模型(デコイ)を置いておくと、多数の白鷺が誘引されるように飛来するという実験結果が知られています。
集団塒の樹上のあちこちに白い雪塊が積もっていると、飛来した白鷺は先着の仲間が多く集まっていると勘違いするでしょうか?
逆に、そこら中の樹々が冠雪していると景色が一変して、どこが集団塒かダイサギは混乱してしまうかもしれません。
ちょうど日没時に現場入りし、少し離れた所でダイサギの飛来を待ち受けることにしました。
雪は止んでいるのでじっと待ち続けると、一番乗りの個体が飛来しました。
ところが上空で旋回しただけで、塒入せずに飛び去ってしまいました。
仲間が不在なので別の塒に向かったのでしょうか?
それとも空を見上げてカメラを向けている私を警戒して逃げたのかもしれません。
しばらく待つと、とっぷりと日が暮れた10分後にもう1羽が飛来しました。
さっきのダイサギと同一個体が戻って来たという可能性も考えられます。
ヒマラヤスギの右に聳え立つモミの樹上に一度着陸しました。
その後、木から木へ飛び移りました。
珍しく低い枝に移動したということは、高い枝は寒風が厳しいのかな?
ここで欲を出した私が撮影アングルを求めて横に移動すると、ダイサギは警戒したのか飛び去ってしまいました。
痛恨のミスです…。
楽観的に考えれば、充分に離れている私の存在などダイサギの眼中に無いのかもしれません。
その証拠に(?)、私の頭上を飛び越える際に警戒声や怒り(苛立ち)の鳴き声などは発しませんでした。
冠雪した枝に降り立ったものの仲間が不在と気づいた途端に心細くなり、急いで別の塒に向かったのかもしれません。
ダイサギはただでさえ警戒心が強いので、仲間が居ないと不安で警戒心が高まるのでしょう。
私の体も凍えてきたので観察を打ち切りました。
手袋をしていても手の指がかじかんで、カメラの誤操作が増えてしまいます。
もっと辛抱強く待てば遅い時刻にダイサギが塒入りしたかどうか、不明です。
今回どうしてダイサギは塒入りしてくれなかったのでしょう?
厳しい雪の日には別の集団塒に集まって寝るのかな?
この冬は積雪が多いためか、川で採餌するダイサギの個体数が例年より少ない気がしています。
周辺地域に生息するダイサギの個体数が少なくなれば、日が暮れて集団塒に集まって来るダイサギが減るのも当然です。
ダイサギ個体群の多くがもっと餌の豊富な地域(暖地)に移動・南下してしまったとすると、ここにはもう戻ってこないかもしれません。
フィールドで生き物の観察はなかなか思い通りに行きません。
次回はダイサギを怖がらせないよう少し工夫して撮影することにします。
撮影用のブラインドを張ってその中から隠し撮りするのがベストだと重々承知しているのですが、この現場ではどうしてもブラインドを張れる場所が無いのです。
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