2016年6月上旬・午後14:07〜14:57
クロマルハナバチの巣:定点観察#5
▼前回の記事
クロマルハナバチの巣穴に侵入するクロスズメバチ♀の謎【HD動画&ハイスピード動画】
7日ぶりにクロマルハナバチ(Bombus ignitus)の営巣地を再訪。
前日に雨が降ったので心配したのですが、コンクリート土留の排水口内に営巣したコロニーは無事で一安心。
下の側溝から雑草が伸びてきていて、夏になったら巣穴が隠されてしまいそうです。
ライトで照らしながら排水口を覗いてみても、奥の様子は見えませんでした。
赤外線の暗視映像で撮っても同じで、奥まで見えませんでした。(映像省略)
やはりファイバースコープのカメラが必要ですね。(無い物ねだり)
調べてみると、機材をレンタルできるらしい。
帰巣する蜂と出巣する蜂とが巣穴ですれ違うシーンがありました。
巣穴に出入りする蜂の羽音もばっちり録音できました。
2匹連続で出巣することもありました。
後半は巣穴に出入りするワーカー♀を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@1:38〜3:26)
帰巣する♀の中には、後脚の花粉籠に白い花粉団子を付けた個体もいれば、空荷の個体もいます。
一方、巣から飛び立った直後、出口に生えた雑草にひっかかった蜂がなんとか空中で姿勢を立て直して飛び去る様子が面白いです。(@3:05)
出巣したワーカーがどこで採餌してくるのか、蜜源が気になります。
営巣地のすぐ上の斜面にイタチハギ(=クロバナエンジュ)とタニウツギが生えていて、花も咲いていました。
ところが、いずれの灌木にも訪花するワーカーは一匹も見かけませんでした。
近場で採餌するのではなく、遠出してくるらしい。
さて、これは何というマルハナバチの巣でしょうか?
クロマルハナバチではなくコマルハナバチ♀のような気もしてきて、迷います。
低地性と言われるクロマルハナバチにしては営巣地の標高(640m)がやや高い点と、出入りする蜂の体長が見るからに小柄である点が気になっています。(クロマルハナバチ説を否定する材料)
ワーカーではなく雄蜂を見れば同定可能です。
しかしコマルハナバチなら他種に先駆けて現れるはずの雄蜂♂の姿は未だ見かけませんでした。
(羽化しても♂は巣に留まってくれない気がします。)
営巣初期のワーカーは創設女王が単独で育てるため幼虫期の栄養状態が悪く、その結果、体長が小柄になるのでしょう。
蜂を正しく同定するために、一匹だけ採集することにしました。
撮影の合間に、ビニール袋を巣穴に被せてビニールテープで軽く固定し、出巣してくるワーカー♀を採集しました。
以下は標本の写真。(コマルハナバチ♀の可能性は?)
クロマルハナバチは刈り揃えたような短い毛をもち、コマルハナバチの毛はやや立っていてふっくらした感じなのだそうです。(『日本産マルハナバチ図鑑』p116「本州以南産コ・クロ♀の違い」)
背面 |
腹面 |
胸背 |
翅 |
腹背 |
側面 |
毒針 |
顔 |
マーラーエリア(撮り方が難しい…) |
後脚 |
後脚基跗節 |
つづく→#6:クロマルハナバチのコロニーの活動【HD動画&ハイスピード動画】
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