2016年9月上旬
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脱皮後に抜け殻を食すウスムラサキイラガ(蛾)幼虫【60倍速映像】
ウスムラサキイラガ(蛾)の飼育記録#4
脱皮して亜終齢になったウスムラサキイラガ(Austrapoda hepatica)幼虫は抜け殻を完食すると、しばらく休んでから食欲が回復したようです。
脱皮した葉裏から隣の葉に移動して、ミズナラの葉を食べ始めました。
それとともに、定期的に排便するようになりました。
脱皮した当日の夜および翌日に撮影した脱糞シーンをまとめてみました。
ラストシーン(@3:25〜)だけは、10倍速の微速度撮影で監視中に撮れたもの。
夜間(室温29℃、湿度57%)は約45分間隔で規則的に排便していました。
肛門がヒクヒクするのが排便の前兆です。
腹端を持ち上げてポトリと脱糞します。
丸い糞が勢い良く放出されます。
これまで様々な種類のイモムシを飼育してきましたが、幼虫の糞の断面は腸の形状を反映したロゼッタ状になるのが普通です。(※追記参照)
一方、ウスムラサキイラガ幼虫の糞は球形で、奇異な印象を受けました。
終齢になれば腸内の襞も発達して糞の形も変わるのでしょうか。
つづく→#5:ミズナラの葉を蚕食し脱糞するウスムラサキイラガ(蛾)亜終齢幼虫【100倍速映像】
※【追記】
盛口満『昆虫の描き方: 自然観察の技法II』p102~103によると、
イモムシは小さな体で、栄養価の低い植物の葉から、できるだけ栄養を吸収できるような工夫が必要となる。そのためイモムシは大食漢であったりするが、そのほかにも、栄養吸収の効率をよくするために、腸の断面積を大きくする工夫をしている。イモムシの糞は断面が花のような形になっているのは、このためだろう。
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