2015年9月中旬
山間部の峠道で遭遇した野生ニホンザル(Macaca fuscata fuscata)の群れの中に、黒い首輪を装着した♂成獣を見つけました。
テレメトリー調査や害獣対策のために、小型の電波発信器やGPSで位置を追跡しているのでしょう。
発達した睾丸と顔が紅潮しているので、そろそろ発情期のようです。
樹上で何かを採食しましたが、メニューは不明です。
いつの間にかこの首輪♂は路上に降りて来たようです。
私の背後の何かに警戒して2本足で起立すると、道端のガードレールに登りました。
右上の森からカケス(Garrulus glandarius)がジェージェー♪と耳障りな警戒声を発し始めると、サルたちは明らかにこれに反応して何事かと気にしているようです(周囲の危険の有無をチェック)。
全く異なる生物なのに警戒声だということを認識して、利用しているのは流石です。
一体何に対して警戒しているのか振り返ってみたい衝動を抑えて私は撮影を続けました。
(カケスは私の存在を気にして騒いでいるのだろうと、なんとなく思いました。)
この首輪♂は、遊動する群れの
尾をピンと上げて堂々と歩き回る風情は貫禄があり、素人目にはボス猿と呼びたくなります。
しかし、現在のサル学の知見ではニホンザルの群れにいわゆるボスらしい振る舞いをする猿(統率者)は居ないことになっています。
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