2015年9月下旬
アカオニグモ♀の定点観察#2
農道と用水路の間に挟まれた草むらでアカオニグモ亜成体♀(Araneus pinguis)の垂直円網を見つけました。
アカオニグモは網を毎日張り替えるようですが、造網は夜明け前に行われるそうです。
4年前の早朝にアカオニグモの造網を後半だけ撮影しています。
▼関連記事なんとか造網の一部始終を動画に記録したくて、徹夜の撮影準備や防寒具を整えてから、草木も眠る丑三つ時に出撃しました。
垂直円網に横糸を張るアカオニグモ♀(蜘蛛)
前回と同じ隠れ家(タニウツギの葉裏)にクモを発見して一安心。
円網は既に取り壊されています。
写真は失敗しましたが、枠糸と最小限の縦糸のみが残されていました。
赤外線の暗視カメラで撮った素材を15倍速に加工した早回し映像をご覧ください。
撮影時刻は午前3:04〜6:08。
ちなみにこの日の日の出時刻は5:25、月齢8.8。
本格的に微速度撮影するにはビデオカメラを三脚に固定しなければなりません。
また、AF頼みのカメラでは背景の茂みのせいで肝心の網にピントが合わず奥ピンになってしまうため、仰角で暗い空を背景にする必要があります。
ところが手持ちの三脚は高さが大き過ぎて使えないことが現場で判明。
地面すれすれにカメラを固定できる自由雲台付きのコンパクトなローアングル三脚が欲しいところです。
仕方がないので、網の前で座ったままビデオカメラを手で持って動画撮影することにしました。
通常のカメラで撮れる明るさになってからは三脚を使いました。
夜が明けて早朝に完成した垂直円網の大きさを測ると、直径約30cm。
網上端の水平(よりやや斜め)に張られた枠糸の長さは83cm。
その枠糸の左端はタニウツギの葉裏(隠れ家)に固定されており、その高さは地上85cm。
逆に右端はヨモギの花穂に固定されており、その高さは地上60cm。
ところで、本種はなぜ夜明け前に徹夜で造網するのでしょうか?
野鳥やクモバチなどの天敵が寝ている時間帯を狙って作業をすると言われています。
しかしせっかく網に張った横糸に夜露が付いて粘着力が落ちてしまう心配はないのかな?
今回はまず造網作業の全貌をざっとご覧頂きました。
次回からは各過程を詳しく振り返ります。
つづく→#3:垂直円網に縦糸を張るアカオニグモ♀【蜘蛛:暗視映像】
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